岡山に新たな国際芸術祭誕生!「岡山芸術交流」16年10月開幕

2015年11月20日 23:29 カテゴリ:最新のニュース

 

2016年3月28日追記:参加アーティストに下道基行、Robert Barryが追加。

 

世界で最も突出したプロジェクト目指す

 

 

岡山芸術交流実行委員会は20日、都内で「岡山芸術交流 Okayama Art Summit 2016」の実施計画発表会を実施、岡山市内8会場を舞台に2016年10月9日(日)から11月27日(日)の会期で開催することを発表した。

 

会見では大森雅夫岡山市長をはじめ、総合プロデューサーの石川康晴氏(公益財団法人石川文化振興財団理事長、株式会社クロスカンパニー代表取締役社長)、総合ディレクターの那須太郎氏(TARO NASU代表)、そしてアーティスティックディレクターのリアム・ギリック氏が登壇。冒頭、大森市長が「アートの力で岡山市に新しい魅力をつくり、そしてそれを通じて岡山市の魅力の再発見、再認識に繋げたい。本物の現代アートに若者たちが触れることで想像力を掻き立てたい」と挨拶。またアンバサダーとして現代アートのコレクターとしても知られる大林剛郎氏が就任することを明かした。

 

この芸術祭は昨年岡山市で行われた「IMAGINEERING OKAYAMA ART PROJECT 」の発展形として位置づけられる。そのプロジェクトを仕掛けた石川氏は起業して20年の節目に「故郷に恩返しがしたい」との思いから公益財団法人を設立、4年前から現代アートの収集を始めた気鋭のコレクターとしても知られる。総合プロデューサーを務める今回の「岡山芸術交流 Okayama Art Summit 2016」というネーミングに関しては、「あえて『交流』という名前をつけた。交流とは作家と作家が交流し、新しい価値を生み出していくこと。これまでヴェネツィア・ビエンナーレやドクメンタなどを視察したが、その中でも最も突出したアートプロジェクトにしていきたい」と高い目標を掲げている。また英語の『Summit』については「ラテン語で最高という意味を持つ。最高の作品を以て最高のイベントに到達していきたい」と述べた。

 

(左)から総合ディレクター・那須太郎氏、総合プロデューサー・石川康晴氏

 

メインビジュアル

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また総合ディレクターの那須氏は「芸術祭が多いという状況は自覚している」としながら「芸術祭が乱立している中でいかに存在感を示すかが課題。そのために徹底して差異化を図る」と説明。そのためのキーポイントとして「オーディエンスからパブリックというプロセス」を提示した。ここでは既にアートに関心を持っている人々、アート関係者、国内外のキュレーターなどを『オーディエンス』と捉え、「まずはこのオーディエンスに焦点を絞り、強く訴える。彼等にとって新しい発見となるものを見せたい。そのオーディエンスが岡山芸術交流を評価してくれることで、今までアートに積極的な関心を持ってこなかったパブリックの層へと訴えかけていきたい」という明確な流れを示した。

 

アーティスティックディレクターを務めるリアム・ギリック氏は「まずこの岡山芸術交流の特徴はアーティスティックディレクターにアーティストを任命したこと。これは非常に珍しい。一番エキサイティングなことは出発点に立っているということ。いくらでもやることを考えられる。そうしたこともありテーマに『Development / 開発』を掲げた」と説明。

 

約30組のアーティストの選定に関しても「今回の『Development』は発展していく、成長していくということを作品に掲げているアーティストを集めた」とし、「街の中で自然に見えてくる、現れてくるといったかたちでの作品を皆様に体験していただけるようになると考えた。多くの芸術祭ではよそからいきなり落下傘のように作品が落とされたような違和感を持たれる場合も多いと思う。オーディエンスとパブリックという話があったが、その間に伝えていく存在としてアーティストがいる。だから今回は作家自身にプレッシャーをかけていく。岡山という文脈の中でどのように展開されるのかに期待してもらいたい」と抱負を語った。

(取材・文/橋爪勇介)

 

アーティスティックディレクターのリアム・ギリック氏(中央)

 

 

 

 

 

 

■参加作家(作家数 2015年11月20日現在)

Yu Araki 荒木 悠

Trisha Baga トリーシャ・バガ

Noah Barker ノア・バーカー

Anna Blessmann & Peter Saville アナ・ブレスマン&ピーター・サヴィル

Angela Bulloch アンジェラ・ブロック

Michael Craig-Martin マイケル・クレイグ−マーティン

Peter Fischli ぺーター・フィッシュリ

Simon Fujiwara サイモン・フジワラ

Ryan Gander ライアン・ガンダー

Melanie Gilligan メラニー・ギリガン

Rochelle Goldberg ロシェル・ゴールドバーグ

Dominique Gonzalez Foerster ドミニク・ゴンザレス=フォースター

Pierre Huyghe ピエール・ユイグ

Joan Jonas ジョーン・ジョナス

Jose Leon Cerrillo ホセ・レオン・セリーヨ

Tatsuo Majima 眞島竜男

Katja Novitskova カーチャ・ノヴィスコーワ

Ahmet Öğüt アーメット・オーグット

Jorge Pardo ホルヘ・パルド

Philippe Parreno フィリップ・パレーノ

Rachel Rose レイチェル・ローズ

Cameron Rowland キャメロン・ローランド

Shimabuku 島袋道浩

Rirkrit Tiravanija リクリット・ティラヴァーニャ

Anton Vidokle アントン・ヴィドクル

Hannah Weinberger ハンナ・ワインバーガー

Lawrence Weiner ローレンス・ウィナー

Anicka Yi アニカ・イ

 

【会期】2016年10月9日(日)〜11月27日(日)

【会場】岡山県天神山プラザ、旧後楽館天神校舎跡地、岡山市立オリエント美術館、旧福岡醤油建物、
林原美術館、岡山城、シネマ・クレール 丸の内、岡山県庁前広場

【関連リンク】岡山芸術交流

 


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