【イベント】岡山市内でImagineering OKAYAMA ART PROJECT 開催

2014年10月17日 17:00 カテゴリ:最新のニュース

 

街が美術館となり、散歩がアートとの出会いになる。

 

Ryan Gander(ライアン・ガンダ―)《Make everything like it’s your last (Charlotte)》 ©Ryan Gander Courtesy of TARO NASU
同作家映像作品「Imagineering」より派生したポスター作品。作品は一般の商業広告と混在するように市内の各所に展示される。

 

岡山市が世界に誇る「アートと文化の街」を目指し展開している「岡山未来づくりプロジェクト」。そのメイン事業の一つとして、世界的現代アーティストの作品を歴史的文化遺産である岡山城やその周辺に展示する「Imagineering OKAYAMA ART PROJECT」が開催される。

 

今展では国内外から注目を集めるアートコレクション「石川コレクション」(株式会社クロスカンパニー代表取締役社長・石川康晴氏による現代アートコレクション)を岡山市内各所に展示。日常の中に芽生えるアートとの出会いを通じて、家族や子どもたち、市民ひとりひとりが想像しながら創造できる場を生み出す。またさらに同コンテンツを軸として、都市部から人々がアートエリアとして注目を集める「瀬戸内」地域を訪れる際に、岡山市がその導線の中心になり、瀬戸内のハブになるきっかけになることを目指す。

 

Martin Creed(マーティン・クリード)《Work No. 201 Half the air in a given space》 ©Martin Creed Courtesy the artist, Hauser & Wirth and Gavin Brown’s enterprise
風船を用いて目にみえない空気を可視化しようとする本作品は、わずかに視点を変えることで新しい世界観が獲得できることを鑑賞者に伝えている。

 

Rirkrit Tiravanija(リクリット・ティラヴァーニャ)《untitled 2012 (who if not we should at least try to imagine the future, again) (remember Julius Koller)》 ©Rirkrit Tiravanija Courtesy of Gavin Brown Enterprise, NY Photo : Thomas Müller
観客とのコミュニケーションを重視するリレーショナル・アートの代表的な作家。14台(今回は12台)の卓球台を使って、卓球をすることで鑑賞者と鑑賞の対象物である作品との境界はあいまいになっていく。

 

プロジェクトメンバーは株式会社クロスカンパニー代表取締役社長・石川康晴氏(Imagineering OKAYAMA ART PROJECT代表)、株式会社ワンダーウォール代表・片山正通氏(アドバイザリー/エキシビション・スペース・デザイン)、TARO NASU代表・那須太郎氏(アートアドバイザリー)の3氏。

 

石川氏は「Imagineeringはimagination(想像力)とengineering(工学)を組み合わせた造語で、想像力を駆使してよりよい未来を具現化しよう、というメッセージがこめられています。文化的資産のある岡山を、アートで盛り上げ、世界に誇るクリエイティブな都市に。その思いで現代アートのコレクションを始めました。Imagineeringから現代アートのおもしろさを発見してもらえたら、これ以上嬉しいことはありません」とメッセージを送っている。

 

 

参加作家(計12作家)

Anri Sala(アンリ・サラ)/Douglas Gordon(ダグラス・ゴードン)/Liam Gillick(リアム・ギリック)/Martin Creed(マーティン・クリード)/Meiro Koizumi(小泉明朗)/Mircea Cantor(ミルチャ・カントール)/Ryan Gander(ライアン・ガンダー)/Shimabuku(島袋道浩)/Simon Fujiwara(サイモン・フジワラ)/Peter Fischli & David Weiss(ペーター・フィッシュリ & ダヴィッド・ヴァイス)/Philippe Parreno(フィリップ・パレーノ)/Rirkrit Tiravanija(リクリット・ティラヴァーニャ)

 

【会期】11月2日(日)~12月25日(木)

【会場】岡山城、後楽館天神校舎跡地、柳川ロータリービル、ほか岡山市内各所

【時間】10:00~18:00

【料金】無料(一部公共料金が発生する箇所も予定)

【関連リンク】Imagineering OKAYAMA ART PROJECT

 

 

(左)Philippe Parreno(フィリップ・パレーノ)《Marquee》参考画像 ©Philippe Parreno Coutesy of Esther Schipper Photo : Andrea Rpssetti
マーキーとは、劇場の入口などに設置される電飾付きのひさしのこと。「注目を促すための存在であったものが、注目するという行為の対象になったとしたら?」という考察のもと生まれた作品シリーズのひとつ。※国内初展示
(右)Anri Sala(アンリ・サラ)《Another Solo in the Doldrums》©Anri Sala Courtesy of Johnen Galerie, Berlin photo : Sylvain Deleu
サラの映像作品「Answer Me」とセットともいえる立体作品。振動によってドラムのバチが動く仕掛けで、鑑賞者はどこかで発せられている問いかけの内容を知ることのないまま、言葉にならない答えを「見る」ことになる。

 

Douglas Gordon(ダグラス・ゴードン)《Pretty Much Every Film and Video Work From About 1992 Until Now》 ©Studio lost but found /VG Bild-Kunst, Bonn 2013 Courtesy Studio lost but found, Berlin Photo Studio lost but found /Frederik Pedersen
1992年以降に発表された映像82点全てを、101のテレビモニターとDVDプレーヤー、そしてビールケースを用いて映し出すもの。アーカイヴやセルフポートレイトの概念とも関わるインスタレーション。※国内初展示

 

Liam Gillick(リアム・ギリック)《theanyspacewhatever》 ©Liam Gillick Courtesy of TARO NASU Photo : Keizo Kioku
「任意空間」はドゥルーズの著作『シネマ1*運動イメージ』から引用された言葉で、何らかの決定がなされる以前の潜在的で創造的な空間のことである。壁の平面的テキストは、鑑賞者に「過程」や「間」についての考察を促す。

 

Peter Fischli & David Weiss(ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイス)《Untitled(Question projection,big)》 ©Peter Fischli David Weiss, Zurich 2014 Courtesy of Tokyo Opera City Art Gallery Photo : Keizo Kioku
些細なものから哲学的なものまで様々な問いが4カ国語の文字によって浮かんでは消える映像作品。平易な言葉で世界の意味や人間存在について問いかける。この作品が発表された2003年に、2人は第50回ヴェニス・ビエンナーレにて、金獅子賞を受賞した。

 

Ryan Gander(ライアン・ガンダー)《Imagineering》 ©Ryan Gander Courtesy of TARO NASU Photo : Keizo Kioku
コマーシャルフィルムの枠組みを借りた映像作品。英国の省庁が公共広告映像の制作を委託したという体裁をとるが、実際には委託事業は存在しない。文化予算削減への批判と不満を背景に、「想像力のエネルギーで世界をより良いものに」というメッセージをも謳っている。

 

Ryan Gander(ライアン・ガンダー)《Magnus Opus》 ©Ryan Gander Courtesy of TARO NASU Photo : Martin Argyroglo
壁に埋め込まれた一対の眼球と眉が人感知センサーによって鑑賞者の動きに反応するインタラクティブな作品。美術鑑賞の場での鑑賞者と作品との関係、すなわち能動性と受動性の逆転や、その先にある双方向性への模索を提案する。

 

Shimabuku(島袋道浩)《白鳥、海へゆく》 ©Shimabuku Courtesy of the artist
白鳥の形を模した足漕ぎボート。周囲の風景を楽しむべく作られたこのボートで、穏やかな河から、想定外の活動領域である瀬戸内海を目指そうとする、その意識的に無謀ともいえる行程をおさめた映像作品。

 

(左)Simon Fujiwara(サイモン・フジワラ)《Rebekkah,(An Education)》 ©Simon Fujiwara Courtesy of TARO NASU
フジワラは物語性の強いインスタレーションで高い評価を受ける作家。100体の彫像からなる本作品は、社会構造に言及した現代の兵馬俑ともいうべきもので、フジワラの個性がいかんなく発揮されている。※国内初展示
(右)Simon Fujiwara(サイモン・フジワラ)《Art Worlds : Mex in the City》Photo: Keizo Kioku
©Simon Fujiwara Courtesy of the artist, TARO NASU
フジワラ自身が偽のフジワラを演じるテレビ番組形式の映像作品。現実と虚構の境界線を曖昧にすることで物事の本質に迫ろうとする、フジワラの独特の演劇的手法が発揮されている。

 


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