パリ個展を終え、造形作家 大槻圭子が凱旋展を開催

2019年06月07日 14:00 カテゴリ:最新のニュース

 

(左)《セーヌに魅せられた日々》(右)《時の流れの向こうに》

(左)《セーヌに魅せられた日々》154×87cm 筒書き捺染 シルク
(右)《時の流れの向こうに》718×90㎝ シルクスクリーン ブッチャー

 

今年3月待望のパリ初個展を開催した大槻圭子(1943年兵庫県生まれ、国画会会員、日本インテリアデザイナー協会会員)が帰国後まもない6月、凱旋展を渋谷区松濤にあるギャラリーTOMで開催する。日本での作品発表を目前に控え、芸術の都パリでの作品発表はいかなるものだったのかその感触を訊ねた。

 

エティエンヌ・ドゥ・コーゾンギャラリー( galerie Ėtienne de Causans)

エティエンヌ・ドゥ・コーゾンギャラリー( galerie Ėtienne de Causans)

インフルエンザの流行や頻発するデモなどもあって、客足を心配していたが、物凄い反響に驚いたという。来場者数もさることながら、観客ひとりひとりが作品に対して興味を持つその熱量が日本国内とは全く異なった。
「自分の知っていることだから興味があるのではなく、知らないからこそ興味を持つ。様々なことを吸収したいという意欲がとにかくすごい。英語とフランス語の通訳をお願いしていましたが、手仕事特有のニュアンスなど通訳では伝えきれないこともあり自分自身でも説明しました」

(左)《迷路に迷い込んじゃった 》 (右)《寡黙な酋長に魅せられて》

(左)《迷路に迷い込んじゃった 》
(右)《寡黙な酋長に魅せられて》241×75cm 筒書き捺染 シルク

 

セーヌ通りはギャラリーの乱立する通り。芸術に携わる人々が毎日のように個展会場を訪れる。「今日はどんな人がくるだろう」大槻にとってパリ個展期間は、毎日朝から晩まで刺激に満ちた日々だった。芸術に対して鋭敏な感覚を有するフランス人の生活環境は日本のそれとは異なる。暮らしの随所に美が溢れ、それを楽しむ文化が育んだ人々の眼は聡い。手仕事特有の温もりと世界規模のダイナミズムが共存する大槻の作品を「日本の伝統」としてのみカテゴライズすることなく、伝統を踏まえたうえなお自由に、しなやかに、規定の枠組みを飛び越えてゆく大槻の美意識を、その作品の内見出したに違いない。目の肥えたパリジャンたちに好評を博し、連日客足が絶えることはなかった大槻のパリ初個展は大成功のうち幕を降ろした。

 

 

鉄は熱いうちに打て。帰国後すぐにパリで得た刺激を昇華すべく、大槻は制作にとりかかった。今展ではパリ発表時の30余点の一部と帰国後に制作した新作約10数点が並ぶ。
刺激に満ちたパリ個展を経て、今また鮮やかな旬を迎える大槻の新作を確かめに是非足を運びたい。

 

【展覧会】「大槻圭子」KEIKO ÔTSUKI

【会期】 2019年6月8日(土)~23日(日)

【会場】 ギャラリーTOM(東京都渋谷区松濤2-11-1)

【休廊】 月曜

【電話】 03-3467-8102

【開館時間】 11:00~18:00

【料金】 一般500円

【関連リンク】大槻圭子 KEIKO ÔTSUKI
【関連記事】大槻圭子がパリでは初となる個展を開催/KEIKO ÔTSUKI Exposition

 


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