芥川賞受賞作品『火花』装丁画の作者・西川美穂による新作展が開催される

2019年01月11日 17:00 カテゴリ:最新のニュース

 

原画の前で書籍と共に記念撮影する西川美穂氏

原画の前で『火花』と共に記念撮影する西川美穂氏

 

この作品を見て、どこかで見たことがあるような気がする読者も少なくないのではないだろうか。一時期、書店を覗けば必ずと言ってよいほど目に飛び込んできた書籍――『火花』。お笑いコンビ・ピースの又吉直樹氏の処女小説『火花』が芥川賞を受賞したことは記憶に新しい。出版不況のこの時世に、小説累計発行部数が250万部を超え、歴代芥川賞受賞小説単行本で最大発行部数を更新したことも大きな話題を呼んだ。この装丁画に使用された作品こそ、西川美穂の《イマスカ》である。

 

これまで知る人ぞ知るアーティストであった西川による油彩画・水彩画の新作を中心とした展示販売会が、新宿・ヒルトン東京の地下、フジギャラリー新宿にて開催される。

 

西川美穂(1989年栃木県生まれ)、多摩美術大学大学院博士前期課程修了。大学在学時より受賞を重ね、2008年「第4回世界絵画大賞展」大賞、2010年「多摩美術大学造形表現学部造形学科4年生展示ART41」グランプリ、同年「第31回国際瀧富士美術賞」……など、華々しい画歴を持つ。無駄な装飾を排し対象のみを画面に配した大胆な構図と滋味深い色調が、存在の重みや不確かさを観者へと伝え、観たものの記憶へと強く焼き付けられる。

 

「私は“見えるモノとみえないモノ”をテーマに制作をしています。人の感情や思っていることは他者から見ることはできません。私達は外だけの姿を見て判断し、日常を送るという考えのもと描いています。今回の作品ではベールに包まれた中に何かを感じ想像しながら作品を見ていただけたらと思います。」

 

そう語る西川は、これまでフラットな画面作りをしてきたが、今回は油絵特有の絵具の厚みを意識し制作したという。とりわけ色と下地にこだわり、「この色を出すために何層も重ねて描いた」という新作《skirt》は必見。「子供がお母さんのヒラヒラしたスカートのなかに隠れ、もぞもぞしているのがとても面白いなと思いこの状況を絵にしたいと思い描きました。」

 

《skirt》2019年 65.2×65.2cm

《skirt》2019年 65.2×65.2cm

 

今展では芥川賞受賞作『火花』の装画に使用された原画作品、《イマスカ》と、新作の油彩画・水彩画を各々10点ずつ展示する。100号の大作から最小は10cm角のものまで、大小様々。《イマスカ》の原画は非売品だが、特別に《イマスカ》のジグレー(デジタルプリント作品)を限定制作し、作家の直筆サインを入れて販売を予定している。8年前の作品《イマスカ》と新作を同時に鑑賞することで、作品の変遷とともにどこか共通する部分を感じとることが出来るだろう。

 

会場に足を運び、普段は“見えない”作者と直接対話しながら、西川の描く“見えるモノ”のむこうにひそむ“見えないモノ”について、想像をすり合わせてみたい。

 

【展覧会】「西川 美穂 展」

【会期】 2019年1月16日(水)~31日(木)

【会場】 フジギャラリー新宿(東京都新宿区西新宿6-6-2ヒルトン東京地下1Fヒルトピアショッピングアーケード内)

【TEL/FAX】 03-6279-0049

【MAIL】 info@fuji-gs.jp

【開館】 10:00~19:00

【休廊】 無休

【料金】 無料

【関連リンク】フジギャラリー新宿  西川美穂
【会期中イベント情報】

■作家来場レセプションパーティー
日時/2019年1月18日(金) 17:00~19:00
入場無料・作家来場

■作家来場日、サイン会
日程詳細はギャラリーオフィシャルホームページ、SNSなどで随時お知らせ

 

【問合せ】
フジギャラリー新宿 広報担当 板垣

 


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