生まれ出る、死に往く植物の「ねじれ」描く山本浩二の個展が開催中

2018年02月07日 15:11 カテゴリ:最新のニュース

 

《黒松》2017年、194×262cm、カンバスに墨、顔料と絵具

《黒松》2017年、194×262cm、カンバスに墨、顔料と絵具

 

40年以上に渡り欧州を拠点に制作し、イギリスやフランスなど世界各地で精力的に発表する画家・山本浩二の個展「Another Nature × 老松」が2月17日まで銀座 永井画廊で開催されている。

 

山本は1951年大阪府生まれ。1973年から3年間、マドリードのシルクロ美術研究所などで学び、以降イギリス、フランス、イタリア、アメリカ、韓国などで作品を発表する。2009年にミラノのロレンツェッリ アルテで「もうひとつの自然 Another Nature」を展示、2013年にはイタリアの老舗美術出版社ボッカ書店の天井壁画としても同シリーズを制作した。美の形ではなくその「根源」を求め、現代の精神と自身の感性で創造する作品は既に欧州では評価されてきたが、2014年の金沢能楽美術館での個展などを経て、日本でも評価が高まっている。

 

今展では生まれ出る/死に往く植物の造形の「ねじれ」をモチーフに、生命の連動と時間性を表現した2つのシリーズを出品。生命の根源である植物の本質を見つめた「Another Nature」シリーズは、古代アラベスクから東洋の唐草まで、先人たちが築き上げた美の究極に思いを馳せ、イタリア・スイスの山野を歩く中で生み出された。一方「老松」シリーズは、2011年に旧友の内田樹(思想家・武道家)から、新築自宅に併設する「凱風館道場/能舞台」の背景鏡板として依頼されたのを機に制作をスタート。出雲、厳島、伊勢、春日など由緒ある神社を訪れて樹齢千年の老樹と向き合い、能舞台の伝統や、宗達、永徳、等伯らの名画に触発される中で形となった。

 

会場では様々な雑草や柳、松などをモチーフに、自然界の気韻生動に満ちた新作を発表する。

 

《Another Nature (yellow)・Another Nature (red)》、2017年、100×100cm、カンバスに墨と絵具

《Another Nature (yellow)・Another Nature (red)》、2017年、100×100cm、カンバスに墨と絵具

 

「生きている老松 / 山本浩二」展 2014年、金沢能楽美術館 撮影:小寺康雄

「生きている老松 / 山本浩二」展 2014年、金沢能楽美術館 撮影:小寺康雄

 

【展覧会】山本浩二展 Another Nature × 老松

【会期】2018年2月2日(金)~17日(土)

【会場】銀座 永井画廊(東京都中央区銀座8-6-25 河北新報ビル5F)

【TEL】03-5545-5160

【休廊】日曜・祝日

【営業時間】11:00~19:00

 

【関連リンク】銀座 永井画廊

 

 


関連記事

その他の記事