“誉のくまもと”―最新の現代美術が出会う、熊本の過去と未来:冨澤治子

2017年09月16日 10:00 カテゴリ:最新のニュース

 

 

熊本市現代美術館では「開館15周年記念 誉のくまもと展」を開催する。

 

本展には国際的に活躍する現代美術家や写真家、イラストレーターなど14名と1グループが参加しているが、うち5名のアーティスト達が「熊本城」(制作:寺田克也、石川直樹)や「生人形」(制作:瀧下和之)、「肥後六花」(制作:今田淳子)、「石牟礼道子」(制作:石内都)といった「熊本ならでは」のテーマのもとコミッションワークに取り組み、最新作として初公開する。

 

また、当館は開館より生人形研究をはじめとして「現代的な美的観点から、近代以降の市民文化とともにあった、評価の定まらない作品の価値を再発見する」活動を継続してきた。本展でも「市民文化に寄り添う生人形」をテーマに、新発見の作品・資料をご紹介する。安本亀八《相撲生人形》をはじめとする当館収蔵作品、ほか生人形にインスピレーションを受けた大型押絵作品《押絵「西国三三所観音霊験記」》(益城町蔵)や写真作品なども展示する。

 

さらに本展は、熊本の人々の生活や価値観を大きく変化させた熊本地震のみに留まらず、全国で頻発する災害、「広島」「水俣」「3.11」を一人の人間としてどのように向き合うのかを、現代美術家達の作品を通じてみつめ直す内容だ。石川直樹《異人》、宮島達男《Archive of Death Clock》、石内都《ひろしま》、秀島由己男《春の城》などに表れる、人間の尊厳と調和を根本として提案される新しい美と新しい価値観を通じて、災害からの文化的復興をのぞみ、槌音響くいまの熊本とその先の未来にある無限の可能性を感じてもらえればと考えている。

(熊本市現代美術館 学芸班主査)

 

出品作家
石内都、石川直樹、稲原豊命、今田淳子、江島栄次郎、大串誠寿、鈴木淳、瀧下和之、寺田克也、長尾紀壽、秀島由己男、平田郷陽、深浦春・小川マス・中島千壽、宮島達男、安本亀八

 

 

 

 

 

【展覧会】開館15周年記念 誉のくまもと展

【会期】2017年9月16日(土)~11月26日(日)

【会場】熊本市現代美術館(熊本市中央区上通町2-3)

【TEL】096-278-7500

【休館】火曜

【開館】10:00~20:00(入場は19:30まで)

【料金】一般1,000円 シニア800円 学生(高校生以上)500円 小・中学生無料

 

主な関連イベント
■オープニングアーティストトーク「写真で表現することについて」(仮)

【日時】9月16日(土)14:00~1530
【会場】ホームギャラリー
【料金】無料
【登壇者】宮島達男、石内都、石川直樹(出品作家)

 

■寺田克也 公開制作

【日時】 9月16日(土)~18日(月・祝)11:00~17:00(予定)
【会場】展覧会場内
【料金】無料(要展覧会チケット)

 

■今田淳子 開館記念日公開制作 + ワークショップ

【日時】10月12日(木)11:00~17:00(予定)
【会場】 びぷれす広場(美術館建物入口付近)
【料金】無料

 

■大人向け参加型アートイベント 鈴木淳「「似木絵」どうです?、ふたたびたび」

【日時】11月4日(土)13:00~16:00(予定)
【会場】展覧会場もぎり付近
【料金】無料

 

■秀島由己男、『春の城』挿絵を語る

【日時】11月12日(土)14:00~15:30
【会場】展覧会場内
【料金】無料(要展覧会チケット)

 

■上映会「ひろしま 石内都・遺されたものたち Things Left Behind」(80分)

【日時】9月23日(土・祝)、10月28日(土)、11月23日(木・祝)各回14:00~
【会場】ホームギャラリー
【料金】無料

 

■AMKレクチャーカレッジ「誉のくまもと展について」

【日時】10月22日(日)14:00~15:30
【会場】ホームギャラリー
【料金】無料
【講師】冨澤治子(熊本市現代美術館学芸班主査・学芸員)

 

■ギャラリー・トーク

【日時】①9月24日、②10月1日、③10月29日、④11月5日、⑤11月26日 いずれも日曜日、各回15:00~15:30
【会場】展覧会場内
【料金】無料(要展覧会チケット)

 

■プレママ&ファミリー・ツアー

【日時】9月30日(土)10:30~11::10
【会場】展覧会場内
【定員】7組(要事前申込)
【料金】大人は要展覧会チケット

 

【関連リンク】熊本市現代美術館

 


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