なぜNYに滝を?オラファー・エリアソンが初の記録映画で揺さぶる‟視覚と知覚”

2017年08月04日 19:19 カテゴリ:最新のニュース

 

Copyright: Jacob Jørgensen, JJFilm, Denmark

映画『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』より Copyright: Jacob Jørgensen, JJFilm, Denmark

 

現代美術家オラファー・エリアソンの初となるドキュメンタリー映画『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』が、8月5日(土)よりアップリンクほか全国で公開される。

 

金沢21世紀美術館の恒久展示作品《カラー・アクティヴィティ・ハウス》(2010)

金沢21世紀美術館の恒久展示作品《カラー・アクティヴィティ・ハウス》(2010)

オラファーは1967年デンマーク生まれ。空間、光、水、霧などの自然界の要素を巧みに用い、観客を含む展示空間そのものに作用するインスタレーションを数多く生み出している。日本でもこれまで東京・原美術館(2005~06年)や、金沢21世紀美術館(09~10年)で個展を開催。昨年ヴェルサイユ宮殿で、滝をモチーフとしたインスタレーションを制作したことも記憶に新しい。

 

今回のドキュメンタリーでは、2008年にオラファーがNY市イースト川に突如出現させた「4つの巨大な人工滝」の制作背景を紹介。約17億円をかけ制作したこのインスタレーション《ザ・ニューヨークシティー・ウォーター・フォールズ》は、大きな話題を呼び、75億円以上の経済効果を生んだ。映画内では金沢21世紀美術館をはじめとする過去の出展作品や、ドイツの制作スタジオ、さらには世界中を駆け巡る彼の姿を追いながら、「彼はなぜ滝をつくり、どう作品を生みつづけているのか?」という大きな問いに迫る。

 

制作ドキュメンタリーのみならず、オラファーが時折スクリーン越しに行う視覚的実験も見どころの一つ。「スクリーンを‟ただのランプ”として見る」よう観客に投げかけるなど、映画というフォーマットを利用して「実験室」のような空間を作りだしている。日本にほぼ文献がない芸術論も必見だ。「視覚と知覚」「理論と哲学」「主観と客観」などさまざまな概念の境界を越えながら観客を巻き込む、「77分間の知的エンターテイメント」とも言える作品を劇場で楽しんでほしい。

 

オラファーが最新作を出品する「ヨコハマトリエンナーレ2017」(8/4~11/5)の会期中は、トリエンナーレチケット(半券でも可)を劇場で提示すれば、当日一般1800円が割引価格の1500円に。

 

また公開を記念して、8月5日(土)・6日(日)の2日間、アップリンク渋谷と横浜ジャック&ベティの鑑賞者に抽選で特製ポスターをプレゼント(各回5名)。アップリンク渋谷の上映時間は両日共通で13:40~、15:15~、19:35~。横浜ジャック&ベティは両日共通で21:40~のレイトショーとなる。

 

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映画『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』より Copyright: Jacob Jørgensen, JJFilm, Denmark

 

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映画『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』より Copyright: Jacob Jørgensen, JJFilm, Denmark

 

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映画『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』より Copyright: Jacob Jørgensen, JJFilm, Denmark

 

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映画『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』
監督:ヘンリク・ルンデ、ヤコブ・イェルゲンセン
出演:オラファー・エリアソン
原題:Olafur Eliasson : Space is Process
2009 / デンマーク / 英語、デンマーク語 / 16:9 / ステレオ / カラー / 77分
Copyright: Jacob Jørgensen, JJFilm, Denmark

 

予告編

 

【関連リンク】映画『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』オフィシャルサイト

 


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