アジア人初、森美術館・片岡真実氏が第21回シドニー・ビエンナーレのアーティスティックディレクターに就任

2016年07月05日 11:52 カテゴリ:最新のニュース

 

 

シドニー・ビエンナーレは5日、森美術館チーフ・キュレーターの片岡真実氏を2018年に開催される第21回シドニー・ビエンナーレのアーティスティックディレクターに指名したと発表した。アジア人としては初の就任となる。

 

同ビエンナーレは1973年にスタートしたアジア太平洋地域で最も長い歴史を持つ国際展として知られており、第20回のアーティスティックディレクターは英・ヘイワードギャラリーのチーフキュレーター、ステファニー・ローゼンタールが務め、64万人以上の来場者数を記録している。

 

片岡氏は東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーター(1998~2002)を経て、2003年より森美術館に勤務。これまで「六本木クロッシング」(2004、2013)、「小沢剛展」(2004)、「笑い展」(2006)、「アイ・ウェイウェイ展」(2009)、「ネイチャー・センス展」(2010)、「会田誠展」(2012)などの企画を担当してきた。また国際展としては「第9回光州ビエンナーレ」(2012)の共同アーティスティックディレクターを務め、第20回シドニー・ビエンナーレでは13名からなる国際アドバイザーの一人として運営に携わった経緯がある。また現在はCIMAM(国際美術館会議)のボードメンバーやグッゲンハイム美術館アジア・アート・カウンシルのメンバーなども務めている。

 

今回の就任に関して同ビエンナーレチェアマンのケイト・ミルズ氏は「片岡氏はアジア太平洋地域で最も熟練したキュレーターのひとりとして、ビエンナーレに新たな視点とアジア的な繊細な感受性をもたらしてくれるだろう」とコメント。また片岡氏は次のようにコメントを寄せている。

 

第21回シドニー・ビエンナーレの芸術監督への指名を受け、大変光栄に思います。40年以上の歴史のなかで、オーストラリアにインターナショナルなアーティストやキュレーターを紹介してきたシドニー・ビエンナーレの役割は、大きな関心のひとつですが、複数のモダニズムという理解が拡がり、世界がまた加速度的に複雑さを増すような今日において、それがいかなる意味を見い出し続けられるのかも重要な問題です。シドニー市、さらにはオーストラリアの多文化的、社会的、政治的な文脈や、多くの現代アート関連機関の国際的な活動を基盤に、国内外の優れたアーティストとの仕事を通して、この街の歴史、多様なコミュニティや文脈とより深く関わっていく方法を見出すことを楽しみにしています。

 

※片岡氏のコメント全文を追記しました。

 

 


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