「絵の鬼」と呼ばれた吉田博 千葉市美術館で20年ぶりの大回顧展

2016年04月08日 10:00 カテゴリ:最新のニュース

 

 

「黒田清輝を殴った男」、吉田博(1876~1950)は、「絵の鬼」でもあった。水彩・油彩・木版と多様なジャンルで風景画を描き続けるが、その根底に流れる構図やテーマは一貫し、生涯を通してぶれることがなかった画家である。

 

三宅克己の水彩画に感銘を受け洋画修業を始め、小山正太郎のもとで風景写生に励み技を磨いた。明治32年に渡米、言葉もままならない異国で自作を売って生活の資を得るという快挙をなし、アメリカ各地からロンドンやパリを巡って明治34年に帰国。その後も外遊を重ね、東西の芸術作法を見つめ、太平洋画会や官展を舞台に活躍を続けた。

 

海外での評価も高く、大正後期から手がけた木版画はいち早く米欧で人気が高まった。戦後、作品を介してマッカーサー夫妻と交流、故ダイアナ元妃も自らの執務室に木版画作品「瀬戸内海集 光る海」を飾った。

 

生誕140年を記念し、20年ぶりに開催する大回顧展は、水彩と木版に焦点を当てる。初公開の写生帖、独自の視点・構図による山岳風景画、従軍画家としての作品なども含む300点以上を展覧する。会期中展示替えあり。

 

 

関連企画の中でもユニークなのが、指示書を持って館外にくりだすピクニック型ワークショップ「からだを変える・風景が変わる」。生涯を通して山に登り、登山家として独自の視点によって、自らの身体性を山岳風景画に表現した吉田にちなみ、身体を使って風景を再発見しようというものだ。大人も参加できる。

 

【会期】2016年4月9日(土)~5月2日(日)

【会場】千葉市美術館(千葉市中央区中央3-10-8)

【TEL】043-221-2311

【休館】4月25日(月)、5月2日(月)

【開館】10:00~18:00、金曜日は20時まで(入館は閉館30分前まで)

【料金】一般1,200円 大学生700円 小中高生・障がい者手帖持参者と介助者1名無料

 

関連イベント

■講演会

「吉田博・その人と芸術」
講師:安永幸一氏(元福岡市美術館副館長)
開催日:4 月9 日(土)
「吉田博の自然観と木版世界」
講師:吉田司氏(版画家/吉田博令孫)
開催日:5月3日(火・祝)
「吉田博のアメリカ開拓精神」
講師:吉田亜世美氏(アーティスト/吉田博令孫)
開催日:5月15日(日)
※各回14:00~(13:30開場予定、先着150名)
場所:千葉市美術館11階講堂
料金:無料(要観覧券)

 

■関連ワークショップ ※事前申込制
「春の色をかさねる −オリジナルブックカバーつくり−」(事前申込制)
透明水彩と不透明水彩、筆彩と版画、それぞれの特徴に触れながら制作。
【日時】4月23日(土)14:00~
【場所】千葉市美術館11階講堂
【参加費】800円
【対象】小学4年生以上
【定員】20名

 

「からだを変える・風景が変わる」(事前申込制)
演劇の手法を使い、普段とは違うからだで風景を再発見する、ピクニック型ワークショップ。からだの感覚を変化させるエクササイズの後、お弁当とふしぎな「指示書」を持ってまちへ出かける。
【講師】ペピン結構設計
【日時】4月29日(金・祝)11:00~
【場所】千葉市美術館11階講堂・美術館周辺
【参加費】1,500円(昼食代込み)
【対象】小学生以上
【定員】20名
※天候に合わせた歩きやすい格好で。
※小学3年生以下は、保護者と一緒に申し込み。
【申込方法】
・往復はがきに郵便番号、住所、電話番号、氏名、参加希望のイベント名、参加人数(2名まで申込可)、参加者の年齢をを明記の上、「〒260-8733 千葉市中央区中央3-10-8 千葉市美術館 イベント係」へ。4月13日(水)必着。
・WEBでの申し込みも可。https://www.rental-system.com/3qplus/form/ccmaws/  4月19日(火)必着

 

《チケットプレゼント》

同展の招待券を5組10名様にプレゼントいたします。メールのタイトルに「吉田博展チケットプレゼント」とご記入の上、①郵便番号・住所 ③氏名 ④年齢 ⑤職業 ⑥当サイトへのご意見 ⑦今後当サイトで取り上げてほしいコンテンツ を以下のメールアドレスまでお送りください。

present@art-news.co.jp

締切:4月12日(火)必着

 

【関連リンク】千葉市美術館

 


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