F/T初代プログラム・ディレクター相馬千秋氏、芸術文化勲章シュヴァリエを受章

2016年03月30日 16:53 カテゴリ:最新のニュース

 

芸術公社代表理事でフェスティバル/トーキョー(F/T)の立役者としても知られる相馬千秋氏が3月16日、在日フランス大使館でクレール・テュオーデ文化参事官により、芸術文化勲章シュヴァリエを受章した。

 

相馬千秋氏

相馬氏は1998年に早稲田大学第一文学部を卒業後、フランス・リヨン第二大学大学院でアートマネジメントおよび文化政策を専攻。国際舞台芸術祭「フェスティバル/トーキョー」の初代プログラム・ディレクター(2009-2013年)を務め、2012年にr:ead(レジデンス・東アジア・ダイアローグ)を立ち上げ、アジアにおけるコミュニケーション・プラットフォームの創出に着手する一方、国内外で多数のプロジェクトのプロデューサー、キュレーター、プログラム選考委員、審査員、理事等を歴任。2014年11月にはNPO法人芸術公社を立ち上げ、現在は代表理事を務めている。

 

今回の受章はフランス共和国文化省より、相馬がこれまで実践してきた主に舞台芸術分野における日仏を始めとする積極的な国際交流と、先進的な作品紹介に努めてきたことに対する評価が実を結んだもの。

 

授賞理由としてフランス側は「相馬氏はフェスティバル/トーキョー(F/T)の国際化と国際的知名度向上に大きな役割を果たしました。同氏は演劇とコンテンポラリーダンスがあらゆる面で十分な地位を得ていない状況にありながら、F/Tを5年で日本で最も重要な演劇祭の一つに押し上げました」とその功績を評価。

 

「その取り組みの中で、フランス人アーティストを迷うことなくF/Tに招へいしました。例えば2009年にシルヴァン・モーリス、2010年にジゼル・ヴィエンヌ、2011年にジェローム・ベル、2012年にジャン=ミシェル・ブリュイエールなど、枚挙にいとまがありません」と日仏の架け橋となった相馬氏を讃えている。

 

また相馬氏は「フランスから勲章を頂いたことは、わたしにとって特別な意味と感慨があります」と喜びを語りながら、「今日、テロや災害など度重なる危機を前に社会全体が息苦しくなっています。芸術は、人間社会が不可避的に生み出してしまう衝突や排除を具体的に解決するものではありません。しかし歴史を想起させ、現在に問いを発し、未来に警鐘をならすことはできる。この信念のもと、わたしはこれからも世界中のアーティストや仲間とともに活動を続けていきたいと思います。本日頂いた勲章は、そのための最強の「お守り」になると確信しています」と決意を新たにしている。

 

【関連リンク】芸術公社

 

 


関連記事

その他の記事