【海外展】 MoMAで「TOKYO 1955-1970」展が開催中

2012年12月17日 10:44 カテゴリ:最新のニュース

 

 

 

左から原口典之氏、飯村隆彦氏、松本俊夫氏、ドリュン・チョン氏、中村宏氏(2012年8月8日、国際交流基金本部にて)

2012年11月18日より、国際交流基金とニューヨーク近代美術館(MoMA)が主催する日本の戦後前衛芸術を紹介した展覧会「TOKYO 1955-1970:新しい前衛」が、MoMAの6階特別展示室で開催されている。

 

本展では、建築のメタボリズム、50-60年代の具象絵画、実験工房、反芸術、ハイレッドセンター、草月アートセンターの活動など、東京を舞台にして多分野で起きた前衛的な運動の諸相を検証。MoMAのコレクションや国内所蔵作品など約300点を展示している。「新しい前衛 (A New Avand Garde)」という副題にこめた意味について、チョン氏からは次のような回答を得た。

 

20世紀前衛史が一般に理解されている中で、戦後日本の前衛は依然研究途上で知られていません。一般にというのは、西洋だけではなく、日本、アジア、世界においてということです。この10年ほどは日本でこのテーマに関する多くの研究や展覧会が見られ(これは自分のリサーチに非常に役立ちました)、またアメリカやヨーロッパでもかなりの数に上りましたが、まだ馴染みのあるテーマには思えません。そこで「新しい」のです。

戦前には既に前衛の流派があったことは事実です。例えば、村山知義とMAVOや、活発なシュールレアリストが日本に存在していました。戦後のアーティストは、その点に関して強い意識があり、瀧口修造のような重要人物を通じて、その流れは継続していきました。よってこの展覧会は美術史における特定の時期に焦点を当て、まだ多くの研究対象があることを示しています。

 

本展の会期は2013年2月25日まで。MoMAでは現在、戦後の日本映画を特集した「アートシアターギルドと日本のアンダーグラウンド 1960~1984年」も開催中である(こちらは2月10日まで)。「TOKYO 1955―1970」展の詳細レポートは、追って掲載を予定している。

 

<関連イベント> ※参加無料、事前申込不要

記念国際シンポジウム

「戦後日本美術の新たな語り口を探る

―ニューヨークと東京、二つの近代美術館の展覧会を通して見えてくるもの」

【日時】 2012年12月23日(日)13:00~17:00(開場12:30) 

【会場】 東京国立近代美術館 地下1階講堂

【パネラー】

ドリュン・チョン(ニューヨーク近代美術館(MoMA)アソシエイト・キュレーター)

ガブリエル・リッター(ダグラス美術館アシスタント・キュレーター)

鈴木勝雄(東京国立近代美術館主任研究員)

林道郎(上智大学国際教養学部教授)

前山裕司(埼玉県立近代美術館主席学芸主幹) 

※逐次同時通訳付き

 

【関連リンク】 国際交流基金 The Museum of Modern Art  東京国立近代美術館

 


関連記事

その他の記事