「ハラドキュメンツ 10 佐藤雅晴―東京尾行」16年1月に原美術館で開催

2015年11月30日 12:36 カテゴリ:最新のニュース

 

 

原美術館がキュレーターの育成や若手作家の支援を目的に開催する不定期プロジェクト、「ハラドキュメンツ」の第10弾として「佐藤雅晴―東京尾行」展が2016年1月23日(土)より開催される。

 

佐藤雅晴(1973年大分県生まれ)は、パソコンソフトのペンツールを用いて実写をトレースしたアニメーション作品に取り組んでいるアーティスト。東京藝術大学油画学科に学びながらも、同大大学院修士課程時代を含め、在学中は絵画制作に意味を見出せず、一切描くことがなかったという。当時、コンセプチュアルアートやインスタレーションに傾倒していた佐藤は、やがて日本での制作に行き詰まり渡独。以後10年にも及ぶドイツでの生活の中で辿りついたのが独自の手法によるアニメーションの制作だった。

 

佐藤にとってトレースとは、対象を「自分の中に取り込む」こと。筆跡も残さず、撮ったものに極力近づけるようにトレースされた作品は実写との微かな差異を生じさせている。人それぞれに多様な感情や感覚を呼び起こす佐藤の作品は、見ることや認識することの奥深さと豊かさを教えてくれるだろう。

 

今回は、佐藤が作家として日本で注目されるきっかけとなったアニメーション作品、『Calling』(ドイツ編、2009‐2010年)をはじめ、「トレースとは尾行である」という新たな発想の下、2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて変わり行く東京の今を描いた最新のアニメーション作品『東京尾行』(2015-2016年)、さらに平面作品数点を加え、作家の表現の変遷を展観する。

 

なお会期中、同館ギャラリーIII、IV、Vにて「原美術館コレクション展:トレース」を併催。佐藤雅晴の制作技法・トレースにちなみ、他人の苦しみをなぞることで自分の苦しみを相対化していくソフィ カル の『限局性激痛』(第2部)や、レンブラントの自画像に扮することで作品を“模写”する森村泰昌の『表情研究』等も展示される予定。

 

 

 

 

 

 

【会期】2016 年1月23日(土)~5月8日(日)

【会場】原美術館(東京都品川区北品川4-7-25)

【TEL】03-3445-0651

【休館】月曜、祝日のとき翌平日

【開館】11:00~17:00(祝日を除く水曜は20:00まで、入館は閉館30分前まで)

【料金】一般1,100円 大高生700円 小中生500円(原美術館メンバーは無料、学期中の土曜は小中高生の入館無料)

【関連リンク】原美術館

 


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