体験レポート「石田尚志 渦まく光」親子講座 at 横浜美術館

2015年05月18日 09:52 カテゴリ:最新のニュース

 

自分たちが描いた絵が動く!
こどもの日ワークショップ 親子講座「動く絵をつくろう!」

 

ワークショップ風景

 
 

5月5日子どもの日、横浜美術館で開催中の「石田尚志 渦まく光」関連イベントのワークショップに子どもたちと参加してきました。
映画用の16ミリフィルムにペンで自由に描き、映写機にかけてスクリーンに映す…という石田作品の秘密に迫る、映像の原理を自分たちで体験してみようという企画です。

 

一般応募で当選した23組65名の小学生とその保護者が、朝10時に横浜美術館こどものアトリエに集合。個展開催中のアーティスト石田尚志さんから直接レクチャーを受けられるということで、子どもだけでなく、保護者の私たちも興奮を抑えきれません。

 
 

16ミリフィルム

作業台に貼られた16ミリフィルム。左手前の短いフィルムは練習用。

 
 

ところが、テーブルに貼られた透明の16ミリフィルムを前にしても、子どもたちはなにがなにやら「???」という状態……。

 

石田さんから「好きなように、少しずつ違う絵を思いっきり描いてみてください」と言われると、「いいの? ほんとに描いちゃっていいの?」ととまどいながら、おそるおそる色とりどりのマジックで、線や○、△など描き始めました。作家の「自分が描きたいように描いていいんだよ」というアドバイスに勇気づけられたのか、だんだんと乗ってきた子どもたち。いろいろな形や線を描いたり、線を指でこすってみたりと、子どもの感性のままにどんどん大胆になっていきました。

 
 

 
 

これで完成です!
続いて、今度は黒いフィルムにニードルのようなものでガリガリと線を入れていきます。
こちらは透明フィルムとはまた違った仕上がりになるということで、すっかり得意になった子どもたちは馴れた手つきで思い思いの線を描き出していきます。

 

 

作業時間が終了する頃にはみな夢中になっており、ふだんは見られない驚異的な集中力を発揮。めいっぱいまで描き終えたところで、いざ上映!

 

数十メートルに及ぶ大作でしたが、いざ映像として流してみるとアッという間。それでも自分の描いた部分に気づいては歓声が上がり、フィルムに描かれた線が予想以上の動きをみせると「おおーっ」と驚嘆の声……みんな楽しんでいる様子がこちらにも伝わってきました。

 

知識を身につけるには、体験することが一番です。そこをスタートに、“好き”という気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。
子どもたちにアートに興味を持ってもらうという意味で、非常に有意義なイベントでした。

 
 

美術館エントランスの展示風景

 
 

ワークショップ終了後、石田さんの展覧会を堪能。
子どもたちにさっき教えてくれた先生の作品だよ、というと「えーっ!!」「すごいっ」と
今さらの反応……何回も教えてはいたのですが……。

 

ただいつもよりも興味津々で観ていたような印象を受けました。
事前にワークショップを体験していたため、理解しやすかったのではないでしょうか。

 
 

美術館前広場にて行われたライブドローイング。O JUN、小林正人両氏とのコラボレーションで、3人のアーティストが火花を散らせる迫真のひとときでした。

 
 

午後はライブドローイングが開催されていたのでこちらも見学。
どっぷりとアートにはまった1日を過ごしました。
子どもたちも、日常とはまったく異なるアートに囲まれた1日を楽しんだ様子でした。

(取材・文:鈴木)

 
 

【会期】2015年3月28日(土)~5月31日(日)

【会場】横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3-4-1) TEL 045-221-0300

【休館】木曜

【開館】10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)

【料金】一般1,500円 高校・大学生900円 中学生600円 小学生以下無料 

   ※毎週土曜は高校生以下無料(生徒手帳、学生証を提示)

【関連リンク】横浜美術館
       石田尚志 渦まく光 絵画 / 映像 ―「越境」のアーティスト

 
 


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