石内都が捉えたフリーダ・カーロ― 映画『フリーダ・カーロの遺品』公開

2015年04月30日 18:37 カテゴリ:最新のニュース

 

石内都とフリーダ・カーロ
時空を超えて2人の女性が交差する、「記録」と「記憶」を巡るドキュメンタリー

 

 

映画『フリーダ・カーロの遺品 −石内都、織るように』の公開が8月8日、東京のシアター・イメージ・フォーラムで始まった。

 

本作は、シュルレアリズムの作家として広く評価されただけでなく、身体の不自由やメキシコ近代化の荒波に翻弄されつつも、ひとりの女性として力強く生きた画家フリーダ・カーロ(1907~1954)の遺品を、『1・9・4・7』や『ひろしま』などで国際的に知られる写真家・石内都(1947年群馬県生まれ)が撮影をする過程を収めたもの。

 

このプロジェクトにおいて石内は、メキシコシティにあるフリーダ・カーロ博物館《青の家》を訪れ、3週間にわたって撮影を実施。フリーダのアイデンティティを支えた伝統衣装やアクセサリー、絶え間ない身体の痛みを想起させるコルセットや医薬品など、一つ一つ並べられていく遺品を撮り続け、その写真を通じて、だれもが想像をしたことのない新たなフリーダ・カーロ像を浮き彫りにした。

 

写真家が遺品を見つめ、写真として発見していく過程を丹念に映像に収めたのは、『ドキュメンタリー映画 100万回生きたねこ』(2012)で国内外において高く評価された小谷忠典(1977年大阪府生まれ)。本作では、石内の創作過程を追いながら、遺品の背後に広がる、メキシコの風土、引き継がれる伝統、現在を生きる女性たちの姿を鮮やかに描き出している。

 

時空を超えて2人の女性芸術家が交差する、「記録」と「記憶」を巡るドキュメンタリー。ぜひ劇場に足を運んでほしい。

 

 

 

 

【タイトル】『フリーダ・カーロの遺品 –石内都、織るように』

【上映館】シアター・イメージフォーラム ほか全国順次公開

【上映時間】89分

【監督・撮影】小谷忠典

【出演】石内都

【配給】ノンデライコ

【後援】メキシコ合衆国大使館

【関連リンク】 『フリーダ・カーロの遺品 –石内都、織るように』公式サイト

 


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