日本のこころを未来につなぐ―藝大 第9回「お仏壇のはせがわ賞」に李品誼

2015年04月16日 16:25 カテゴリ:最新のニュース

 

 

仏壇および墓石・屋内墓苑を手掛ける株式会社はせがわ(代表取締役・井上健一)による「東京藝術大学 第9回 お仏壇のはせがわ賞」に、李品誼(Lee Pin Yi)の「山形県慈恩寺 普賢菩薩象像模刻」が選ばれた。

 

「お仏壇のはせがわ賞」は、国宝・重要文化財の修復など「日本の美」を継承する次世代の担い手の育成を目的とするもので、東京藝術大学大学院 美術研究科 文化財保存学専攻 保存修復彫刻研究室の研究優秀作品(修士課程・博士課程)を対象とするもの。

 

李品誼は1989年台湾・台南生まれ。2012年に台湾藝術大学 美術学院 古蹟芸術修復学科を卒業し、2013年に東京藝術大学大学院に入学。現在は同研究室の技術職員として活動する。受賞に対しては「日本の仏教文化をもっと深く理解し、仏像の構造と造形を研究し、再現することができ、自分にとって大変貴重な体験でした。今まで得た経験をこれからの文化財修復活動に生かし、精進したいとおもっています」とコメントする。

 

また、「お仏壇のはせがわ賞 特別賞」は、同研究室非常勤講師の小島久典の研究『鎌倉時代の菩薩形像における彫刻制作の計画性とその変更について‐東大寺中性院 弥勒菩薩立像模刻制作を通して‐』が受賞。小島は1986年広島県生まれ。2010年に東京藝術大学大学院に入学し、2012年の第6回お仏壇のはせがわ賞を受賞している。「当時の作者が、私たちと同じように悪戦苦闘していたという事実を知ることで、遠い時代と思いがちな鎌倉時代の人々をすぐ近くに感じることができ、大変貴重な経験となりました。この経験を糧に、今後も仏像に真摯に向かい合っていきたいと思います」と述べる。

 

受賞作品は、4月15日(水)から19日(日)まで東京藝術大学大学美術館 陳列館1階、2階で開催の「保存修復彫刻研究室研究報告発表展」で展示される。同展では、平成26年度に東京藝術大学が受託し、研究室教員・大学院生らによって修復された実物の彫刻文化財の展示をするほか、国指定重要文化財の模刻作品の展示、3Dレーザースキャナによる文化財調査研究成果等、幅広い内容の展示を実施。また、実際に修復や模刻制作を行った担当者によるギャラリートークを開催する。入場無料。

 

なお、過去の「お仏壇のはせがわ賞」受賞作品は、はせがわ銀座本店ギャラリーにて常時展示されている(1Fにてギャラリー観覧希望の旨をスタッフまで)。

 

 

【関連リンク】東京藝術大学

 


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