日本屈指の「高橋コレクション」 東京オペラシティで52作家約140点を展覧

2015年03月24日 13:02 カテゴリ:最新のニュース

 

高橋コレクション展 ミラー・ニューロン

 

名和晃平《PixCell-Lion》 2015 ミクストメディア 撮影: 表恒匡 SANDWICH

名和晃平《PixCell-Lion》 2015 ミクストメディア
撮影: 表恒匡 SANDWICH

 

日本屈指のコレクターとして知られる高橋龍太郎。そのコレクションを紹介する展覧会「高橋コレクション展 ミラー・ニューロン」が東京オペラシティ アートギャラリーで開催される。

 

「高橋コレクション」は、精神科医・高橋龍太郎の収集による現代アートのコレクションであり、1990年代以降の日本のアートシーンを俯瞰するうえで欠かせない存在として、高い評価を得てきた。1990年代に収集を本格化させた高橋は、奈良美智、村上隆、会田誠、ヤノベケンジといった、現在日本を代表する作家たちにごく早い時期から注目し、彼らの重要作品を次々と収集することで、一躍現代アートのコレクターとして名を馳せた存在。また、近年ではより幅広いコレクションを志向し、「もの派」をはじめキャリアの長い作家なども積極的に収集する姿勢を見せる。

 

今展は、高橋が日本のアートと文化を考えるためのキーワードとして提案する「ミラー・ニューロン」をタイトルに掲げ、歴史的な視野から作品を選んで、日本の現代アートの流れを読み解いていくもの。草間彌生、舟越桂、Chim↑Pom、名和晃平ら52作家、約140点の作品が一堂に会する。

 

■出品作家

会田誠、青木陵子、青山悟、淺井裕介、荒木経惟、安藤正子、池田学、伊藤存、井上有一、榎倉康二、大岩オスカール、岡田謙三、小沢剛、小谷元彦、風間サチコ、樫木知子、加藤泉、加藤美佳、金坂健二、草間彌生、鴻池朋子、小林孝亘、小林正人、近藤亜樹、塩保朋子、菅木志雄、須田悦弘、関根伸夫、辰野登恵子、束芋、Chim↑Pom、中村一美、奈良美智、名和晃平、西尾康之、蜷川実花、橋本雅也、舟越桂、町田久美、松井えり菜、丸山直文、Mr.、宮永愛子、村上隆、村瀬恭子、森村泰昌、森山大道、やなぎみわ、ヤノベケンジ、山口晃、横尾忠則、李禹煥

 

 

■高橋龍太郎コラム「ミラーニューロン」について(抜粋)

加藤美佳《パンジーズ》 2001
油彩、キャンバス
©KATO Mika/courtesy of Tomio Koyama Gallery

人間はこのミラーニューロンによってもたらされる模倣行動によって、他者の行動を理解し共感する。人間の言語をこのミラーニューロンによって獲得されたものとする学説もある。

 

しかし人間にとって最大の模倣は自然への模倣だろう。アリストテレスは、芸術は自然を模倣するとして、模倣(ミメーシス)を人間の本質と高く評価した。

 

1980年代以降現代アートは模倣と引用によるシミュレーショニズムの影響なくしては語れない。しかしシミュレーションといえば、日本には本歌取り、見立て、やつし等、千年の歴史がある。とするなら日本の現代アートシーンは、正面に西欧のアートミラーがあり、背後に千年の伝統ミラーを見据える合わせ鏡の只中にあることになる。

 

それは世界のアートシーンのなかの稀有な痙攣する美になるのか。はたまた無限に映し返される煉獄に過ぎないのか。

 

コレクター・精神科医 高橋龍太郎

 

【会期】 2015年4月18日(土)~ 6月28日(日)

【会場】東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー3F) TEL03-5777-8600(ハローダイヤル)

【休館】月曜 ※5月4日は開館

【開館】11:00~19:00(金・土曜は20:00まで、入場はそれぞれ閉館30分前まで)

【料金】一般1,200円 大・高生800円 中学生以下無料

【関連リンク】東京オペラシティ アートギャラリー

 


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