【ニュース】 「はじまりの美術館」が猪苗代に開館

2014年06月09日 13:37 カテゴリ:最新のニュース

 

築120年の酒蔵がアール・ブリュット美術館に

 

日本財団(笹川陽平会長)※と社会福祉法人「安積愛育園」(佐久間啓理事長)が協働で設置を目指してきた福島県初のアール・ブリュット美術館「はじまりの美術館」(岡部兼芳館長)が6月1日(日)、開館を迎えオープニングセレモニーが執り行われた。

 

(左から)カイカイキキ・綛野匠美氏、日本財団・尾形武寿理事長、安積愛育園・佐久間啓理事長

 

この日開館した「はじまりの美術館」は明治初期に建造された築120年の酒蔵「十八間蔵」を大規模改修し、地域の人々が集うカフェ併設型の美術館として再生させたもの。開館に当たっては「地域の課題を地域の人が主体的に解決する」というコミュニティデザインの手法で著名なstudio-L代表・山崎亮氏を招き、地域住民へのインタビューを重ねてきた。今後は「すべての人が表現者」をテーマに、「誰もが集える場」となり「地域の人のつながりを生み出す拠点」となることを目指す。

 

オープニング当日の様子

オープニング当日の様子

 

また現在は開館記念展「手づくり本仕込みゲイジュツ」が10月13日まで開催中。今展では手仕事と素材感が織りなす独自の世界観を持つ8人のアーティストの作品を通して、現代を見つめ直すことを試みる。参加アーティストは伊藤峰尾/岩崎貴宏/加藤仁美/佐藤香/澤田真一/舛次崇/武田拓/照屋勇賢。

 

武田拓「はし」 2010年 わりばし

 

(左)澤田 真一「無題」 撮影:大西暢夫 日本財団所蔵
(右)岩崎貴宏「アウト・オブ・ディスオーダー(ブッシュ・シリーズ) 2013 Blue mop」
©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO

 

尚、同館開館の資金面では「New Day基金」から6350万円が拠出された。同基金は村上隆氏が代表を務める有限会社カイカイキキが実施した東日本大震災復興支援チャリティオークションでの売上げより寄付された約3億4千万円を基に設置されたもの。

 

※日本財団

アール・ブリュット支援事業を多数展開しており、パリで行われた「アール・ブリュット・ジャポネ展」(2010年2月~11年1月)で展示された作品の中から622点を収蔵、全国の公立美術館で巡回展を開催した。またはじまりの美術館以外にもボーダーレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀県)や鞆の津ミュージアム(広島県)など各地にアール・ブリュット美術館を整備(目標10館に対し現在5館)し、そこで業務に携わる学芸員の育成支援も手がけている。

 

美術館に掲げられた「New Day基金」(左)と日本財団のプレート(右)

 

■開館記念展「手づくり本仕込みゲイジュツ」

【会期】 6月1日(日)~10月13日(月・祝)

【会場】 はじまりの美術館 (福島県耶麻郡猪苗代町新町4873) ☎0242-62-3454

【休館】 火曜

【開館時間】 10:00~18:00

【料金】 一般500円 中高生・65歳以上250円 小学生以下・障がい者手帳をお持ちの方及び付き添い1名無料

【関連リンク】 はじまりの美術館

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