【受賞】 第2回「Artist Group -風-」公募展 入選作7点決まる

2013年10月21日 17:58 カテゴリ:最新のニュース

 

中島千波・中野嘉之・畠中光享+新鋭による大作競演の場

 

展示壁面に限度 審査は少数激戦 最終絞込みに苦慮

 

作品を審査する中野嘉之、畠中光享、中島千波の3氏(左から)

作品を審査する中野嘉之、畠中光享、中島千波の3氏(左から)

応募資格「満年齢45歳以下」、作品規定「横7m×縦2.4mを限度とする平面」、「入選のみ賞なし」等、従来の公募展にはない主張を旗印にして昨年発足した「Artist Group-風-」展。2013年の第2回展には全国から日本画・洋画など29点の応募作品が寄せられた。去る9月21日、東京マルイ美術で3氏による厳正な実作審査が行われ、その結果入選作品7点が決定した。前回以上に力作が多く入選7作品の最終絞り込みに苦慮、少数激戦の濃い選考内容となった。

 

同展運営事務局によると、今回の作品応募(9月1日受付開始、同7日締切)は、全国各地域から日本画・洋画など29点あった。第1回と比べ応募は9点減となった。減った理由は、応募条件に卒業制作、修了制作は不可としたことが明らかにあった。その代わり、応募作品のレベルはずっと良くなった、という。

 

まず、写真による第1次審査で23点を選出。その1次通過23点について実作品による2次審査が行われた。審査員は中島千波、中野嘉之、畠中光享の3同人。技術・技法や作品のテーマ、発想あるいは背景などを意見交換し、厳しく討論されるかたちは今年も変わらない。創立3同人のみの小グループゆえボランティア・スタッフが今回もサポートした。応募作には紐やワイヤでの吊るし作品や変形組み合わせの大作など意欲的な傾向が窺え、タイプは様々だ。横幅7m近い大作ばかりゆえ、一度には展示できない。やはり1点ずつの審査。その都度、スタッフが後ろから持ち上げたり、床に組み広げる作業を手早く行う。

 

2012年の第1回「Artist Group-風-」展の会場風景から

2012年の第1回「Artist Group-風-」展の会場風景から

1回目の2次審査で12点に絞られた。3人の審査員により慎重な議論が重ねられる。2度目に見ると印象が変わるともいう。その結果、2回目の2次審査で9点に絞り込まれた。ここまで残った9作品は甲乙つけ難い力作揃い。しかし7点に絞らなければならない。会場の展示壁面は横幅に限度があるからだ。壁際にもう一度立て掛け、審査が行われ、最終的に洋画と日本画の2点が落選する結果に。もう少し壁面があれば、との声もあった。前回、今回の連続入選者は2名。応募者の年齢は21歳から限度の45歳まで幅広い層だった。応募の平均年齢は約33歳。男女比は前回半々だったが、今回は19対11で男性の応募が多かった。

 

事務局では、落選者には入選しなかった審査講評・理由などを口頭もしくは簡単な文書で伝えたいという。落選者へのこうした対応もこれまでの公募団体展にはなかったこと。若手作家を育てたいとする3同人の創立意図でもある。新鋭たちとベテラン作家との熾烈な大作競演の場が期待できよう。

 

発表された7点の入選者・作品は以下の通り。(氏名、画題、技法の順)

① 佐々木真士 「聖地礼讃」 (日本画)

② 押元一敏 「悠久の柏槇(びゃくしん)」 (紙本彩色)

③ 金子富之 「蔵王大黒天」 (日本画)

④ 林 毅 「昇華」 (日本画)

⑤ 中野浩樹 「旋律―SENRITU―」 (パネル、キャンバス、岩絵具他)

⑥ 田島周吾 「魚棚駅前商店街」 (綿布、紙に岩彩・日本画)

⑦ 木下めいこ 「Peafowl―孔雀―」 (混合技法・杉板18枚)

 

2回「Artist Group--」展

【会期】 2013年10月20日(日)~28日(月)

【会場】 東京都美術館ギャラリーB (東京都台東区上野公園8-36) ☎03-3823-6921

【休室】 10月21日(月)

【料金】 無料

【問合せ】 同展運営事務局(東京都港区白金台3-16-17) ☎03-6320-7021

【関連リンク】 Artist Group-風-

 

なお、都美館での展観後、今回も『風』展出品者による別個の企画展「花信風―第2回Artist Group風小品展」が髙島屋系列で予定。各作家が30号1点、10号以下2点の新作を揮毫、展示するという。

【巡回予定】 髙島屋日本橋店=2014年2月19日(水)~25日(火)、同大阪店=3月5日(水)~11日(火)、同京都店=3月26日(水)~4月1日(火)

 

「新美術新聞」2013年10月11日号(第1325号) 3面より

 

 


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