【国際展】 ヨコハマトリエンナーレ2014、アーティスティック・ディレクターに森村泰昌氏

2012年12月18日 19:02 カテゴリ:最新のニュース

 

左から帆足亜紀・横浜トリエンナーレ組織委員会事務局長、森村泰昌・アーティスティック・ディレクター、逢坂恵理子・同委員会委員長

横浜で3年に1度開催される現代アートの国際展、横浜トリエンナーレ。2012年12月18日、第5回展となる「ヨコハマトリエンナーレ2014」の第1回記者会見が開かれ、アーティスティック・ディレクターに美術家の森村泰昌氏が就任したことが発表された。

 

森村氏は1951年大阪市生まれ。80年代後半より、一貫して「自画像的作品」をテーマに美術史上の名画や往年の映画女優に扮した写真や映像作品を制作、国内外で発表している。 森村氏の選出理由について、前回の総合ディレクターで、今回横浜トリエンナーレ組織委員会委員長を務める逢坂恵理子氏(横浜美術館館長)は、「(国際展が数多くある中で)予定調和的な・予想のつく傾向をさけ、何か違いをみせたいという思いがありました」とし、学芸員や美術評論家などの美術関係者とは視点の異なる、アーティストならではの斬新な発想に期待を寄せた。また、森村氏の作風の特性から、森村氏が写真、映像、ファッション、文筆などさまざまなジャンルに精通していることや、美術の歴史とつながりをもちながら現代に対する鋭い感性を示している点なども理由に挙げた。

 

 

森村氏は就任の経緯について「これまではキュレートされる側で、キュレーションという仕事については全くの素人。数多くの話し合いを重ねる中で、“知らないからこそ全てを白紙状態、まっ白な状態からスタートさせることができるのではないか”と思うようになり、次第にアーティスティック・ディレクターという仕事に実感をもちはじめて、引き受けました」と語った。また、過去に横浜美術館で2回個展(1996年「美に至る病ー女優になった私」、2007年「美の教室、静聴せよ」)を開催しており、横浜が「美術家としての人生において非常に重要な土地」であることなどにも言及した。本展の実現に向けては、プロセスを“密室”で行うのではなく公開していくことや、「今何がトレンドかではなく何が大事なのかという点を提案したい」と、新鮮な気持ちで本展に臨む姿勢をみせた。

 

今展の開催時期は2014年8月上旬から11月上旬、メイン会場は横浜美術館および新港ピア(新港ふ頭展示施設)を予定している。コンセプトや具体的な運営体制などについては、今後発表される。

 

 

【関連リンク】 横浜トリエンナーレ公式サイト

 


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