躍進!21世紀の未来を切り拓く大阪芸術大学 〈1〉

2012年07月31日 16:09 カテゴリ:その他ページ

 

特別寄稿

塚本邦彦

学校法人塚本学院 大阪芸術大学 大阪芸術大学短期大学部

大阪芸術大学附属 大阪美術専門学校 理事長・学長・学院長

 

「夢」は思い描くものではなく、自分の手でつかむもの。

大阪芸術大学は、自分の夢をつかみ取る場所だ。

 

 

 

 

 

夢というのは、思い描くものではなく、つかみ取っていくものだ。現実の事象に立ち向かっていく。思い描いていた夢は打ち砕かれるかもしれない。しかし、そこにわずかな可能性を人は見つけ出して、再び立ち上がっていく。その行為によってしか、夢は膨らますことができない。その挑戦が夢をつかみ取る方法だ。

 

最も大切なことは、最適の場所に自分自身を置くということだ。その場所に自らの意志で入っていくことだ。今、あなたが思い描いている夢は、幻想かもしれない。しかし、もしかするとそれは現実にさらされることで、さらに膨らみ、実現へと向かっていくこともあり得る。

 

ここ大阪芸術大学には、これまでに数多くの若者が、芸術への思いを抱いてやって来た。そして、一つ一つの夢を確認し、新たな夢をつかみ取り、それを育んでいった。ある者は、芸術家となり、ある者は人々に夢を与えていく仕事に就いている。

 

本学には、芸術制作に没頭できる空間がある。表現を突き詰めていく時間がある。あなたがその気になった時、先輩、仲間、さまざまな施設、最先端の情報、そして教授たちが、あなたを包み、刺激し、支援する。あなた自身のエートスはここで触発され、新たな芸術の創造、そして夢の実現へと向かう。

 

大阪芸術大学は、若者が夢を実現するための手がかりを見つけ、自らの力によってそれを現実のものとする場所であってほしいと思う。

 

私は、社会に出てさまざまな現実と向き合ううちに、偶然にもここで教壇に立つことになり、いつしか大学運営を担う立場になった。そして最近、自分自身の中に、社会人になってから意識しなくなっていた夢が確かに存在し、大きく育ちつつあることに気づいた。この大学を「学生たちが自分の夢を実現させる場所」にしたい。そのためのあらゆるエレメントを整えていく。それは私の使命でもある。私にとってもまた、大阪芸術大学は「夢を実現させる場所」なのである。(寄稿)

 

 

広大なキャンパスに充実した施設、プロに徹した教授陣による実戦教育

 

いま“大阪発”が注目されている。創立48年、関西で最も歴史ある総合芸術大学、大阪芸術大学(塚本邦彦理事長・学長・学院長)は、芸術アート分野での躍進が目覚ましい。美術・建築・文芸・放送・音楽・舞台芸術など15学科34コース・大学院生、およそ7千名。年々その規模を充実拡大中で、ハード施設面の整備とともにソフト面では活躍中のプロフェッショナルを教授陣に配置、さらに話題の『“世紀のダ・ヴィンチを探せ!”高校生アートコンペティション2012』『学生作品オークション』などの斬新な企画イベントも展開する。

 

大阪芸大の進展拡充の秘訣は何なのか。牽引車である同大学の塚本英邦・学長補佐、国際部長と絹谷幸二・同大美術学科学科長、同藝術研究所長にご登場いただき、その建学精神、歩みから、教育現場とその特長、海外も見据えた今後の方針などを語りあって頂いた。

 

 

【関連リンク】 大阪芸術大学 オープンキャンパス詳細

 

 

 

特別対談 塚本英邦 × 絹谷幸二

 

  未来に向け アートの全てをフォローする総合芸術大学 絹谷

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(右) 絹谷幸二(きぬたに こうじ)

大阪芸術大学美術学科教授・学科長・同藝術研究所所長 日本藝術院会員 独立美術協会会員

東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。第17回安井賞、毎日芸術賞、日本芸術大賞、日本芸術院賞、他受賞。絹谷幸二賞創設。東京藝術大学名誉教授。大阪芸術大学教授

 

(左) 塚本英邦(つかもと ひでくに)

学校法人塚本学院 理事長補佐・学長補佐 国際部長・教授

2004年3月関西大学大学院社会学研究科産業社会学専攻博士課程後期課程修了

 

 

―まず絹谷先生から大阪芸大の特長を少しお話くださいますか。

 

絹谷 初めてこちらへ来させていただいて、その規模感の大きさは驚くばかりで、アートのあらゆる面をフォローしている総合大学ですね。学生数は約7千人。その人数は奈良・明日香村の人口とほぼ同じです。学生たちの若いエネルギーが満ちあふれ、新しい未来へ向かって自由自在にはばたいています。

 

文化というもの、アート&ミュージックは人間の本当の楽しみと言いますか、生きて生活し人生を楽しむ、根本的な必須の要素かもしれません。昔は―絵も描けない、踊りもできない、歌も歌えない、詩も作れない、という人がいたなら、その人は勉強しなさい、そして会社に入り、人のために働きなさい、といわれたものです。人間の楽しみって、何でしょうか。アート&ミュージックの喜びを実現するために社会的にも貢献しなさい、ということです。これは、これからの日本を引っぱっていくものすごい牽引車になると思いますけど、その各分野を大阪芸大は全部フォローしています。こうした大学は、他にまずありません。その学科同士が、お互いに知らん顔しているのではなく皆、関連しています。たとえば《ミッドナイト・イン・パリ》という1920年代を舞台にした映画をウッディ・アレンが撮っているのですけど、そこにはモディリアーニが出てきたりピカソやマチスが出てきたりするのです。大阪芸大の学生もこれからそういう芸術の宝庫になればうれしいです。そしてその様な映像を残してほしい、と放送学科長の岩崎先生ときょう話しあったばかりです。学内留学というか、放送学科が美術学科に乱入してきて、それが将来の貴重な映像になるようになれば幸せです。つまり大阪芸大は心やすい横の繋がりがすごくありますね。

 

例えば僕が奈良明日香の万葉文化館で展覧会を開いた時は、音楽学科長・演奏学科長の三原剛先生が古代の服装で学生たちと一緒にオープニングに来てくれて、《なら山》を歌っていただいたり、正にアートとミュージックがかさなり、本当の喜びの中にある学校だといえます。この広い宇宙で、こんなに花が咲いていて魚がいて鳥が飛んでいるなんていう世界は、どこにもないわけです。歌があり、絵がある。大阪芸大は、そういうことを具現している一つの花園というか、すばらしい地球を体現しているところだと思うのです。

 

―建学の精神がここまでに至ったのでしょうか。

 

塚本 建学の精神というのは、5つありますけれど、規模が大きくなったというのは社会のニーズでしょうね。これからもそうだと思いますが、新しい学科やコースをなぜ作るのかというと、社会からのニーズがあるから、そのニーズに答えた人材を社会に送り出していくために大学は存在するわけで、そういう人材を育成するために、新しい学科などを増やしていったという経緯があると思います。

 

絹谷先生のお話に少し付け加えますと、芸大にはいろんな学科があってコラボレーションするということですが、それは建学の精神に「総合のための分化と境界領域の開拓」があります。岩崎先生が放送学科長としてやられている学内留学というのも、「境界領域の開拓」を志向しているのです。やはり他の芸術系の大学との差別化というか、うちの特化している部分として、こういうフィールドがあるということなのです。先生たちでも、絹谷先生のように油絵の大作家もいれば映画監督も、漫画家も、音楽家も、ダンサーもいる。そういう人たちが集まっているフィールドであり、その教え子である特化した学生たちが、各棟に分かれている、いわば専門の単科大学が集まっているようなフィールドです。

 

その学生たちの横のコラボレーションもありますから、サークルとか部活のつながりで、文芸学科卒業なのに、なぜか映像の脚本家やっているとか、映像に関する広告の文章書いている人であったり、学生時代のコラボレーションによって違う分野の仕事をしている人も多いのです。例えば、卒業生で、デザイナーをやっているザンポンという人がいるのです。彼はデザイン学科じゃなくて工芸学科出身なのです。こういうふうに自分が卒業した学科以外の分野で活躍している人間が多いですね。

 

絹谷 そういう方のほうがユニークな視点を持っていますね。デザインの人が油絵をやっていてデザインの方へ入っていくとか、漫画の方へ入っていく人もいるし、またその逆もありますし、新しい良い形なのです。また、スクラップ&ビルドで、時代に応じてアメーバのように学科がどんどん動いているという、そのエネルギッシュな動き方もすばらしいと思います。

 

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