【レポート】谷口吉生設計ミュージアムの「建築交流ネットワーク協定」締結

2014年12月12日 10:48 カテゴリ:最新のニュース

 

北陸新幹線の開通控え活気づく金沢で

谷口吉生設計ミュージアムの「建築交流ネットワーク協定」締結

9館が連携協力―国内外へ魅力発信!

 

―栗原祐司(国立文化財機構事務局長)

 

11月14日、北陸新幹線の開通を間近に控えて活気づいている金沢で、「建築交流ネットワーク協定」の締結式が行われた。

 

協定締結は、谷口氏が2011年に手掛けた鈴木大拙館(金沢市)が呼びかけ、資生堂アートハウス(静岡県掛川市)、土門拳記念館(山形県酒田市)、長野県信濃美術館東山魁夷館(長野市)、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川県丸亀市)、豊田市美術館(愛知県豊田市)、東京国立博物館法隆寺宝物館(東京都台東区;日本建築学会賞受賞)、香川県立せとうち美術館(香川県坂出市)、京都国立博物館平成知新館(京都市)の8館がこれに応じ、各館長が出席して協定書を取り交わした。ニューヨーク近代美術館(MoMA)は出席しなかったが、活動に協力するとの連絡があったという。

 

「建築交流ネットワーク協定締結式」、後列右端に谷口吉生氏

「建築交流ネットワーク協定締結式」、後列右端に谷口吉生氏

 

連携・協力の内容は、各館相互の連携と協力による国内外への魅力発信を目的に、パンフレットの設置やホームページ上でのPR等を行うことで、各館のいずれかから異議の申し出がない限り継続するものとされた。締結式で谷口氏は、「一つ一つの建物を自分の子どものように感じている。『生みの親』は自分だが、『育ての親』は皆さんで、今日は私にとって特別の日だ」と喜びのあいさつを行った。また、ネットワーク各館を代表して、銭谷眞美・東京国立博物館長と、立会人の山野之義・金沢市長もあいさつを行った。

 

その後、金沢市民芸術村で「[谷口吉郎・谷口吉生]の建築-金沢が育んだ二人の建築家」展の開会式・内覧会が行われ、9館長らが出席し、谷口氏自らが展示解説を行った。同展には、谷口吉郎・吉生親子の作品が模型や写真、映像等によって紹介され、2人の建築の足跡がたどれる内容になっている。東京国立博物館にある東洋館は、父親である故・谷口吉郎氏の設計で、東京国立近代美術館も同氏の作品である。このほか、石川県美術館(現・石川県立伝統産業工芸館)や斎藤茂吉記念館(山形県上山市)、吉川英治記念館(東京都青梅市)など、谷口吉郎氏の設計によるミュージアム建築も国内に多数存在する。谷口吉生氏も、上記の9館以外にも清春白樺美術館(山梨県北杜市)、東京都葛西臨海水族園(東京都江戸川区)などを手掛けており、まさに親子でミュージアム建築を国内に数多く残している稀有な存在だといっていい。現在、日本には、「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞を受賞した建築家が7人おり(丹下健三、槇文彦、安藤忠雄、妹島和世・西沢立衛(SANAA)、伊東豊雄、坂茂)、彼らもまた多くのミュージアム建築を設計している。言うまでもなくミュージアムの価値は建物だけではない、彼らが日本の誇りであることは間違いないだろう。

 

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