ミュシャ展(国立新美術館・3/8~6/5)

2017年04月06日 16:30 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

 

アール・ヌーヴォーを代表する芸術家の一人アルフォンス・ミュシャ(1860~1939)が晩年の17年間を捧げた渾身の作品《スラヴ叙事詩》を、チェコ国外では世界で初めて、全20点まとめて公開する展覧会が3月8日(水)より国立新美術館で開催される。

 

アルフォンス・ミュシャ

ミュシャ(チェコ語発音ムハ)は、オーストリア領モラヴィア(現チェコ)に生まれ、ウィーンやミュンヘンを経て27歳でパリに渡る。なかなか認められず挿絵などの仕事で生計を立てていたが、34歳の時に女優サラ・ベルナール主演の舞台『ジスモンダ』のポスターを手がけることになり、一躍成功を収めることに。以降、優美で装飾的なその作風は人々を魅了し、時代の寵児として活躍した。

 

美しい女性像や流麗な植物文様など、華やかで洗練されたポスターや装飾パネルを手がけた一方で、ミュシャは故郷チェコや自身のルーツであるスラヴ民族のアイデンティティをテーマにした作品を数多く描く。その集大成と言えるのが、晩年の17年間を捧げた《スラヴ叙事詩》だ。縦6メートル、横8メートルもの巨大なカンヴァスに描かれた20点の油彩画は、古代から近代に至るスラヴ民族の苦難と栄光の歴史を圧倒的なスケールで描きだしたもので、プラハ市のために描かれ、1928年に寄贈された。ミュシャの最高傑作にして、今日ではチェコ近代美術史上、最も重要な作品に位置付けられている。

 

日本では1989年に20点のうち1点が展示されているが、全20点がチェコ国外で一堂に展示されるのは今回が初めてのことであり、非常に貴重な機会と言える。加えて本展では、華やかなアール・ヌーヴォー時代の逸品や装飾壁画の仕事、多様なポスターデザインなど約80点を展示。画家が《スラヴ叙事詩》を描くに至るまでの足跡をたどり、その新たな魅力に迫る。

 

 

 

「ミュシャ展」会場風景

 

「ミュシャ展」会場風景

 

 

【展覧会】国立新美術館開館10周年・チェコ文化年事業 ミュシャ展

【会期】2017年3月8日(水)~6月5日(月)

【会場】国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)

【TEL】03-5777-8600(ハローダイヤル)

【休館】火曜、5月2日(火)開館

【開館】10:00~18:00、金曜、4月29日(土)~5月7日(日)は20:00まで(入場は閉館30分前まで)

【料金】一般1,600円 大学生1,200円 高校生800円 中学生以下無料

 

■講演会「ミュシャとムハ、アール・ヌーヴォーから《スラヴ叙事詩》への道」

【講師】ヴラスタ・チハーコヴァー(美術評論家・ ミュシャ展共同監修者)
【日時】3月8日(水)14:00~15:30(13:30開場)
【会場】国立新美術館3階講堂 定員260名(先着順)

 

■チェコビーズで楽しむビーズ織り講座

【講師】佐古孝子(ビーズ織り作家、「サコタカコ創作ビーズ織り」主宰)
【日時】4月22日(土)、30日(日)14:30~16:00
【会場】国立新美術館3階・研修室A 各回定員30名(事前申込み制)
【対象】中学生以上
【申込み】往復はがきにて ※応募方法は公式HP参照

 

■チェコアニメ上映会

【プログラム】『アマールカ』『もぐらのクルテク』
【日時】5月5日(金・祝)、6日(土)、7日(日)11:00~12:00、14:00~15:00
【会場】国立新美術館3階講堂 定員260名(先着順、入替制)

 

【関連リンク】「ミュシャ展」公式HP

 


関連記事

その他の記事