【ARATANIURANO】パープルーム大学物語

2015年06月09日 16:12 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

 

名古屋・熊本を巡回してきた『パープルーム大学物語』が東京・白金のアラタニウラノに巡回、関東初開催を迎える。

 

通常、主催者のステートメントやテーマ、趣向に準じて作家が選定され配置されるグループ展だが、今展の中核となるのは美術家の梅津庸一(1982年山形県生まれ)率いる美術予備校「パープルーム予備校」。同校は「産業としての美術予備校」ではなく、「小さな資本でエコノミカルに運営していける本来の予備校」の形を模索し設立されたもの。梅津は現在の日本の美大受験と美大の関係について「アカデミズムと師弟制度との親和性の高さ、そして受験の合格率を上げるため、傾向と対策を繰り返すうちキメラのように奇形化した受験絵画」と批判し、「それらは今の日本の美術を形作る血肉となって息づいている。しかし大学側はそれを自らの権威を維持するため決して認めようとせず否定し続けている。これは2015年現在も美術大学で連綿と続けられている悪しき習慣なのである」としながら、その一連の制度をも取り込む試みを行っている。

 

今展は展覧会という空間と時間を伴う場に建てられる「美術学校」の物語。梅津によるとそれは「「美術の物語」であり、「学園物語」であり、「恋物語」であり、「絵が生成されていく物語」であり、「視界と絵画平面が同期する物語」であり、「色と線とカタチの物語」であり、「風で草が揺れるような自然の物語」であり、「語り得ない物語」でもある」。会期中は展示だけでなく、トークイベント、パフォーマンス、講義など多数開催。みんなで行い当日撮影も予定されている『おやゆび姫』の上演、岸井大輔による講義、作家の公開制作、座談会、レクレーションなどが予定されている。詳細情報はパープルーム大学物語特設サイトやSNSなどを通じてUPされる。

 

 

■参加作家

qp、坂本夏子、平山昌尚、梅津庸一、福士千裕、内田百合香、風見2、20m61、岸井大輔、KOURYOU、鋤柄ふくみ、マジカル商店、だつお、栄あずな(ex-たんぱく質)、ニ艘木洋行、現代ビジュアルセミナー、パープルーム予備校生(アラン)、パープルーム予備校研究生(高島周造、安藤裕美)他

 

 

相模原にあるパープルーム予備校の様子

相模原にあるパープルーム予備校の様子

 

2014年に名古屋の山下ビルで行った展覧会の様子

2014年に名古屋の山下ビルで行われた展覧会の様子

 

2015年に熊本市現代美術館で行われた展覧会の様子

2015年に熊本市現代美術館で行われた展覧会の様子

 

2015年に熊本市現代美術館で行われた展覧会の様子

2015年に熊本市現代美術館で行われた展覧会の様子

 

パープルーム大学Ⅱで行われた平山昌尚によるパフォーマンス

パープルーム大学Ⅱで行われた平山昌尚によるパフォーマンス

 

【会期】2015年7月11日(土)~8月15日(土)

【会場】ARATANIURANO(東京都港区白金3-1-15-2F) TEL03-5422-8320

【休廊】日・月曜・祝日

【開廊】11:00 ~19:00

【料金】無料

【関連リンク】ARATANIURANO パープルーム大学物語特設サイト

 

■オープニングレセプション

7月11日(土)18:00~20:00

 

 

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