【京都芸術センター】小谷元彦『Terminal Moment』

2014年11月04日 17:00 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

琳派400年記念祭事業―日本人の感性掘り起こす

 

京都の中心部で生まれ育ち、今や世界的に活躍する現代美術家・小谷元彦による個展が琳派400年記念祭事業の一環として京都芸術センターで開催される。映像作品や巨大インスタレーションを駆使しながらも、立体の制作を通して彫刻の問題を問い続けてきた小谷は今回、彫刻における「欠落」と人体の関係を軸として、そこに彫刻のイコンや運動の問題を重ね合わせた新作を発表する。

 

《Terminal Documents》 2011
ヴィデオ・インスタレーション:1画面ヴィデオ・プロジェクション、6.1chサラウンド・サウンド、2面同期モニタ、ステレオサウンド×2、水、プール、モニタ、スピーカ、他
サイズ可変(プール452.8×H30cm) 11分00秒(ループ)
撮影:木奥惠三 写真提供:静岡県立美術館 提供:山本現代

 

ギャラリー北ではバージョン改変以降、初公開となる《Terminal Documents(ver2.0)》を発表。会場の中央にある巨大なプールを覗き込むと、血液のような赤い水が渦を巻いているのが見え、書物を朗読する少女の声が重なる。

 

またギャラリー南では新作《Terminal Impact(featuring Mari Katayama “tools”)》を発表。「Terminal Impact」とは歩行時などに膝にかかる衝撃をさす言葉であり、小谷は初期から義肢に強い関心を示してきた。今展では義足で生活する女性作家・片山真理とおコラボレーションによる映像インスタレーションを構築。どちらも映像を中心にした巨大なインスタレーションだが、その背景には「彫刻」の問題が横たわる。京都に生まれ、幼少期から仏像を好んで見に行っていたという小谷が、「美術」や「彫刻」といった概念が西洋から入ってくる前の、日本人の感性を掘り起こそうと試みる。

 

「小谷元彦展:幽体の知覚」展示風景、森美術館 撮影:木奥惠三 写真提供:森美術館 提供:山本現代

 

【会期】11月11日(火)~12月14日(日)

【会場】京都芸術センター(京都市中京区室町蛸薬師下る山伏山町546‐2) TEL 075-213-1000

【休館】会期中無休

【開館】10:00~20:00

【料金】無料

【関連リンク】京都芸術センター

 

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【日時】11月22日(土) 14:00~16:00

【会場】京都芸術センター フリースペース

【料金】無料

※事前申込不要

 

 


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