【日本橋】 ―生命と大地― 藤井勉展

2013年07月16日 14:58 カテゴリ:最新の展覧会情報

「陽の名残り」 60.6×91.0cm 油彩

 

 

高質な筆の技による洗練された描写で、東北の自然が育んだ野の植物の移ろう姿や愛娘たちの成長を描き、その透明感のある詩的な作品が高い評価を受ける洋画家・藤井勉。1948年秋田県仙南村(現 美郷町)に生まれ、71年に岩手大学特設美術科を卒業。以来、岩手県を拠点に活動し、76年第20回シェル美術賞展で佳作賞、翌77年に第12回昭和会展優秀賞、83年には「秋風」で安井賞展佳作賞を受賞。現在は小岩井農場近くの広大な土地を自ら開墾し、アトリエ兼住居として家族とともに暮らしている。

 

 

「牧場の朝」 116.7×116.7cm 油彩

昨年、埼玉県のサトエ21世紀美術館において長期にわたる個展を開催した藤井。同展には、東日本大震災の大津波によって陸前高田市のホテルのロビーから運び去られた大作「風と潮の神話」の再制作中の作品をはじめ、同館コレクションの作品など約70点が出品され、情感溢れるその世界は訪れる多くの来場者を魅了した。

 

今展では、長年にわたって藤井がテーマとしてきた可憐な野の花や愛娘の肖像、愛らしい猫をはじめ、富士山や犬など新たに取り組んだ力作の油彩、水彩、素描40余点を一同に展覧。巡る自然の環の中で出合う身近な生命へ向けた、作家の優しさ、愛情に満ちたまなざしを感じさせてくれるだろう。

 

 

「遠い日」 72.7×60.6cm 油彩

【会期】 2013年7月24日(水)~30日(火)

【会場】 日本橋三越本店 本館6階美術特選画廊(東京都中央区日本橋室町1-4―1)

☎03―3241―3311

【営業時間】 10:00~19:00 ※最終日は16:00閉場

【休廊】 無休

【料金】 無料

【関連リンク】 三越の美術|日本橋三越本店

 

 

 

 

 

 

「新美術新聞」2013年7月21日号(第1318号)4面より

 


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