[画材考] 画家:松本亮平「生き物たちの物語を切り抜く」

2022年05月09日 12:00 カテゴリ:コラム

 

愛用のハサミと切り抜かれた動物たち

愛用のハサミと切り抜かれた動物たち

 

多様な生き物たちが調和した世界を描きたいと思っています。生き物たちは私の絵の中で戯れ合い、話し合い、自由に遊びまわっていて欲しいと思っています。
 

一枚の絵に様々な生き物を同居させるためには画面構成を考える必要がありますが、ただ並列に配置しては画面が混乱して絵のテーマが伝わりにくくなります。そのため、生き物の大きさや重なり方、距離などを絵のメッセージに合わせて調整する必要が出てきます。

 

私の場合、そこで登場するのが「ハサミ」です。紙を動物型に切り画面内に配置し構図を調整しています。動物型を拡大・縮小コピーして大きさを調整することもできます。動物型を切り抜く際、ハサミの切れ味が良いと制作が捗るため、カール事務器のエクスシザースを愛用しています。

 

《画家の日常》90.9×116.7cm アクリル

《画家の日常》90.9×116.7cm アクリル

 

《画家の日常》ドローイングの変遷

《画家の日常》ドローイングの変遷


《画家の日常》では、猫に振り回されながら制作する私の日常を描きました。

 

ドローイングの初期には衝立の絵は左端にありましたが、このままでは中央の柱を境に絵が左右に分かれてしまうと考え、衝立を画面中央に移動しました。衝立とそれに絵を描く猫などを後から貼り付けています。これにより画面の中央に見所を集めることができたと思います。

 

このようにドローイング中や、さらには作品の制作中にも動物型の切り抜きを画面に貼り付けて構成に役立てています。

 

ハサミで切り抜いた生き物たちに協力してもらい、その物語を描いています。

 

 

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プロフィール_松本亮平
松本 亮平(まつもと・りょうへい)
1988年神奈川県生まれ、2013年早稲田大学大学院先進理工学部電気・情報生命工学科修了。
2016年第51回昭和会展に初出品・初入選。以降3年連続入選を経て19年同展昭和会賞を受賞した。
都内を中心に個展やグループ展、フランスや韓国など国外のアートフェアにも出品している。
5月10日(火)~23日(月)、日動画廊本店にて個展開催予定。
 

【関連リンク】松本亮平 幻想絵画

 


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