[画材考] 洋画家:齋藤将「ゆうひのおか」

2019年02月04日 17:00 カテゴリ:コラム

 

ゆうひの丘

ゆうひの丘

 

聖蹟桜ヶ丘に住んで16年が経ちます。自宅の近くにゆうひの丘という見晴らしの良い広場があり、そこのベンチに座ってアイデアスケッチをしたり読書をしたりします。晴れた日は西武ドームまで見渡すことができます。私が何かを創作するのには欠かせない場所で、第2のアトリエといったところです。

 

東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘は京王線の駅名です。ジブリ映画の舞台になったことがあり、今でも全国から聖地巡礼をしにくるファンらしき人を見かけます。名称が美しいので何があるのかと聞かれることがありますが、もともとは明治天皇が兎狩りに行幸した地でその記念館があったことから聖蹟と呼ばれています。

 

古くは鎌倉幕府が滅亡するきっかけとなった関戸合戦があった古戦場で、討ち死にした武将の塚などが今も残っています。戦時中は多摩丘陵の複雑な地形を利用した多摩弾薬庫が作られていましたが、跡地は米軍用のレクリエーション施設やゴルフ場に変わっています。ニュータウンの開発地区から外れたこともあり、自然が多くて暮らすのになかなか面白い場所です。私としては画材屋の世界堂が駅ビルにあることで非常に助かっています。

 

聖蹟桜ヶ丘は名前のとおり桜がたくさんあります。春になったらゆうひの丘まで散策してみては如何でしょうか。きっと近くに住みたくなります。

 

「おくとぱす」

「おくとぱす」 幅9×奥行9×高さ14cm 木彫に着色 2018年

 

「#クリカテクラク」

「#クリカテクラク」181.8×259.1cm 2018年

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齋藤 将 (さいとう・しょう)★sho saito
1970年東京都生まれ。多摩美術大学大学院修了。現在独立美術協会会員、女子美術大学非常勤講師。3月1日(金)~18日(月)銀座・日動画廊「さくらと富士」、4月3日(水)~8日(月)日本橋三越本店「E.O展」に作品出品予定。
3月には美術年鑑社より絵本『クリカテクラク』を刊行予定。

 

【関連リンク】
齋藤将アートワークス 

 


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