墨の文化を世界に―書家・長岡美和子がフィンランドのヘルシンキで個展を開催

2017年06月16日 18:55 カテゴリ:最新のニュース

 

 

前衛書道の先駆者として知られる上田桑鳩とその弟子の酒井葩雪に師事。近年は小林秀雄や芥川龍之介、堀辰雄らの文学作品、古事記のことばに着想を得た墨象作品を制作している書家・長岡美和子が、6月21日よりフィンランド・ヘルシンキで個展を開催する。

 

1945年富山県に生まれた長岡は、近畿大学理工学部在学中より上田、酒井に学び、80年代から個展を中心に発表。「書道は感情芸術である」という上田の教えを受け継ぎ、半世紀にわたって感情芸術としての表現を追求してきた。一方で、神伝円心流八段の腕前を持ち、全日本美術協会委員・評議員を務めるなど古武道や日本画にも習熟。「それぞれが独立したものではなく、収束した一つの点として私の中にある」と語る。90年のフランス・カーニュをはじめ、14年にベルリン、15年にブリュッセルで個展を開催するなど、海外での評価も高まっている。

 

書家 長岡美和子(2014年)

 

ベルギー・ブリュッセルでの個展における席上揮毫(2015年)

 

今展は、北井画廊(東京都千代田区、北井康郎代表)とヘルシンキの画廊AVA Galleriaの共同企画。最新作の《曙》《陽》《要》《嵐》全紙4点をふくめ、全30点が展示される。6月20日のオープニングでは、フィンランドの漢字表記「芬蘭」の揮毫するライブパフォーマンスを予定している。切れ味鋭い筆線、巧みに計算された余白が生み出す洗練された墨象の世界が、遠く北欧の地でどのような反響を巻き起こすのか楽しみにしたい。7月9日まで。

 

なお、アトリエと発表の場を兼ねる千葉「滝不動スタジオM」での恒例の個展は、今年は10月22日から28日までの開催となる。

 

 

 


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