大原美術館が東京へやって来る!展覧会サポーターにはピース 又吉直樹が就任

2015年09月30日 18:11 カテゴリ:最新のニュース

 

「大原美術館の神髄を東京に」 

 

挨拶する高階秀爾館長

挨拶する高階秀爾館長

 

2016年1月に開幕する「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」の記者会見が30日、東京・六本木の国立新美術館で開催された。

 

同展は岡山県倉敷市に1930年、西洋美術を紹介する日本初の本格的な美術館として実業家・大原孫三郎(1880~1943)が創設した大原美術館が誇る名品の数々を史上最大規模で紹介するもの。会見では会場となる国立新美術館・青木保館長が冒頭に「(大原美術館のコレクションは)日本のプライベートなコレクションとして世界に誇るべきものであり、東京で鑑賞できることを嬉しく思う」と挨拶。

 

また大原美術館理事長・大原謙一郎氏は「今回の展覧会では大原美術館の神髄、“ハート”が東京に来ることになる。一つ一つの絵は向きえば語りかけてくれるものがある。その中でも語りかけるものが多い作品を選んで運んでくる。そのメッセージを受け取ってもらえれば嬉しい」とし、同館館長・高階秀爾氏は「今回東京でやる展覧会では大原美術館の重要な作品をお見せできる体制を整えた。西洋近代絵画から日本の近代絵画、民藝など幅広い作品が揃っているし、若い作家達の作品もある。それを東京の方に見てもらいたい。優れた作品を通して美術館の活動を見ていただければありがたい」と抱負を述べた。

 

ビデオメッセージを寄せた展覧会サポーターの又吉直樹氏

ビデオメッセージを寄せた展覧会サポーターの又吉直樹氏

今展ではエル・グレコの《受胎告知》(1590年頃~1603年)をはじめ、岸田劉生《童女舞姿》(1924年)、棟方志功《二菩薩釈迦十大弟子板画柵》(1939年)、堂本尚郎《集中する力Ⅰ》(1957年)、クロード・モネ《睡蓮》(1906年頃)、ジャクソン・ポロック《カット・アウト》(1948~58年)、ジャン・フォートリエ《雨》(1959年)、ルチオ・フォンタナ《空間概念 期待》(1961年)など時代もジャンルも超えた名品の数々が集合。大原美術館の多岐にわたるコレクションが、同館とは対照的な国立新美術館のホワイトキューブでどのような姿を見せるのか、注目が集まる。

 

なお今展では展覧会サポーターとして今年、芥川賞にも輝いたお笑いタレントのピース 又吉直樹氏が就任。会見では映像を通じて「大原美術館のことは知っていたのですが、まだ行ったことがない。(大原美術館は)日本初の美術館ということで、とてもすごい西洋美術のコレクションが東京にやってくるのを本当に僕も楽しみにしています」とコメントを寄せた。なお展覧会に合わせて又吉氏が出演する全9話構成のオリジナルムービーが9月30日より公開。又吉氏が謎を解いていくストーリー仕立てとなっており、16年1月20日までの間に1話ずつ順次公開、謎を解いた人だけが見られる特別編も用意されているという。

 

 

このほか、今展では会期前の10月31日に国立新美術館3Fにある「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」で「美の饗宴 アートになりきり ハロウィン仮装コンテスト」が開催される。同展で展示される作品をテーマに仮装コンテストを実施し、最優秀賞には岡山県倉敷・大原美術館旅行(1組2名)など豪華賞品がプレゼントされる。応募条件などの詳細は展覧会公式サイトをチェックしてほしい。

 

会見では岸田劉生の《麗子像》などに扮したモデルが登場

会見では岸田劉生の《麗子像》などに扮したモデルが登場

 

【会期】2016年1月20日(水)~4月4日(月)

【会場】国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)

【TEL】03-5777-8600

【休館】火曜

【開館】10:00~18:00(金曜は20:00まで、入場は閉館30分前まで)

【料金】一般1,600円 大学生1,200円 高校生800円 中学生以下無料 

※前売券は10月21日~16年1月19日まで販売(国立新美術館では1月18日まで)

【関連リンク】はじまり、美の饗宴展公式サイト

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