洋画

     
   

帰るところがあれば、思い切って出掛ける事が出来る。束の間であれ、長きであれ、ダメでも受け入れてくれると思えば気持ちが楽になる。<br />
帰る場所などないと踏み出して、帰らない人、でも帰る人、そして帰れない人…<br />
情景の中に願いを込めて、花を描いてみる。

風や光や香りなど、些細なはずみで心がトリップし、思いがけない場所に居る事がある。<br />
当たり前に殆どが過去で、良い事も悪い事もあったはずなのに、なんだか変に優しくなれたりする。<br />
雨の日は、落ち着いて水と風の香を感じながら画布に向かう。

窓辺には情景がある。<br />
感情は境界線から外に内にと飛翔する。<br />
ドアとの違いは、体を通過させる事を目的としていないところか…。<br />
振り向いて一瞬白い鳥が見えたなら、それは一つのファンタジー。<br />
心の隙き間が見える。

   

 
 

玉木奈津子

TAMAKI NATSUKO

ル・サロン会員
 
1954年神奈川県生まれ。
81年二科展に初入選、以後連続入選を果たし、95年第80回記念二科展で80回記念賞を受賞する。2000年ル・サロンに初入選、以後連続入選し、03年ル・サロン会員となる。
個展や海外展出品も数多く、国内外で受賞を重ねている。

 
     

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