洋画

     
   

睡蓮といえばモネの睡蓮があまりにも有名である。2011年、私はGivernyのモネの館を訪れた。池の奥には日本に憧れたモネらしく赤い太鼓橋が見える。広がる池面には陽の光を浴びてピンク色の睡蓮が首を傾げている。そこに音もなく小舟が分け入って睡蓮の残骸を取り除いていく。その逆光のなかの小舟のシルエットは、それはそのまま一服の絵であった。<br />
2013年10月、観光客が引き上げた後のGivernyを想い描き、パリでの個展となった。

30数年前、富士山の五合目まで登り、富士山麓を車で走りまわった。<br />
富士山が一番美しく見えるという峠にも行った。<br />
その数年後、「富士の中から見た富士山」を作った。<br />
そして今、晴れた日には近くのタワーからも、毎日使う駅のホームからも遠くに富士山を見ることができる。<br />
記念展に当たる今年、久々に山の作品となった。

   

 
 

國安珣子

KUNIYASU JUNKO

日本板画院同人
 
1943年
1980年
1983年
2006年
 
2009年
2010年
2011年

山口県生まれ
日本板画院院友となる
日本板画院同人となる
日本板画院理事となる
板院展審査委員をつとめる(同07、08、09年)
版の世界展(銀座・ギャラリーアーチストスペース)に出品
日本板画院常務理事(12年1月まで)、同審査室長となる
板院展で華厳賞受賞

 
     

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