日本画

     
   

ふるさとは、遠くにありて想うもの。<br />
富士山も遠く眺めて、より美しい。<br />
女神を祉るせいか、裾野を長く引くせいか。<br />
富士山は美しさの上に、優しさがのる。<br />
絵描きは先ず足許からと、富士五湖をはじめ周りをいろいろ巡ってみた。<br />
憧れは日々つのり、朝夕富士を拝める所に住むことこそ、日本人にとって最高の幸せではなかろうかと、真剣についの棲家を考えたこともあった。<br />
結果、富士山は遠くにありて想うもの。<br />
昨年、世界遺産が決まり、日本に生まれた誇りさえ感じている。<br />
四曲屏風としての作品は、現在、日蓮宗妙善寺に収蔵され、秀苑の未来を見守ってくれている。


華やかな色彩の世界に憧れ、洋画家を目指していた筈の少女は、何時の間にか墨の中にこそ神秘の色があるはずだと感じて、西洋の風景を墨で表現することがテーマとなりました。<br />
2002年に色で試みた作品です。オスロからフィヨルドに向う山越えの途中にあるショスの滝です。壮大な滝を前に岩上で舞う妖精ともまがう女性は、真紅のドレスでした。

   

 
 

安藤秀苑

ANDO SHUEN

国画水墨院理事長、萌苑会主宰
 
岡山県生まれ。
水墨画を中村江谿に、洋画を野平上、佐藤一章に学ぶ。国画水墨院展にて文部大臣賞、山陽新聞社賞、産経新聞展芸術大賞など受賞。このほか、岡山市水墨画連盟会長、山陽カルチャーセンター講師など歴任。
個展開催は10回を数え、海外取材は20カ国30回以上に及ぶ。

 
     

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