【上野】 興福寺創建1300年記念 国宝 興福寺仏頭展

2013年09月03日 09:59 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

国宝「銅造仏頭」 白鳳時代 興福寺蔵

国宝「銅造仏頭」 白鳳時代 興福寺蔵

奈良・興福寺の創建1300年を記念して「国宝 興福寺仏頭展」が開かれる。

 

「仏頭」の守護神として造られた国宝「木造十二神将立像」(鎌倉時代)、浮彫の最高傑作として有名な国宝「板彫十二神将像」(平安時代)の各12点の計24点、2組の国宝十二神将が初めて寺外に勢ぞろいするのが話題である。このほか「仏頭」と同じ白鳳仏として東京・調布の深大寺所蔵の重要文化財「銅造釈迦如来倚像」も特別展示、国宝25点、重文31点など約70点の至宝が集う。

 

主な見所を挙げると。

 

「銅造仏頭」は破損物でありながら、異例ともいえる国宝指定。微笑んでいるようで威厳のある“白鳳の貴公子”という呼称にふさわしい優れた造形性に大きな理由がある。頭部だけで総高98.3cmの巨大なスケール。日本彫刻史上見逃せない存在である。

 

国宝に指定された十二神将像は、全国で4件ある。奈良・新薬師寺の塑像(奈良時代、ただし指定は11件)、京都・広隆寺の木像(平安時代)、そして興福寺の「板彫十二神将像」と「木造十二神将立像」の4組。その興福寺の2組を展示。

 

国宝「迷企羅大将像(板彫十二神将)」 平安時代 興福寺蔵

国宝「迷企羅大将像(板彫十二神将)」 平安時代 興福寺蔵

十二神将は薬師如来の眷属(従者)であり、それぞれは7千の兵を率いる師団長。「木造十二神将立像」は鎌倉時代の作例。応永18(1411)年の落雷による東金堂火災で、「仏頭」は所在不明となり、昭和12(1937)年に本尊台座内で発見されてからも今日まで、「仏頭」と「木造十二神将立像」が共に並べられることは無かった。今回は主従600年ぶりの再会となる。

 

仏頭が15世紀の落雷による火災で破損するまでどのような姿だったのか?遺された文献にも、その姿について触れたものはなく大きな謎だ。今展では破損した頭部がどのような形状だったかを最新のVR技術で復元を試みる。復元映像は会場内で公開される。

 

【会期】 9月3日(火)~11月24日(日)

【会場】 東京藝術大学大学美術館(東京都台東区上野公園12-8)☎03-5777-8600

【休館】 月曜、祝日のとき翌日

【開館時間】10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)

【料金】 一般1500円 高校・大学生1000円 中学生以下無料

【関連リンク】 東京藝術大学大学美術館

 

記念講演会

「仏頭のひみつ ─制作工程を中心に─」

【日時】 10月5日(土) 14:00~15:30

【会場】 東京藝術大学内

【講師】 松田誠一郎氏 (東京藝術大学 教授)

※参加無料、ただし展覧会の観覧券が必要。定員150名。

【関連リンク】 「国宝 興福寺仏頭展」記念イベント 情報ページ

 

「新美術新聞」2013年9月1日号(第1321号)1面より

 


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