【上野】 ルーヴル美術館展 地中海 四千年のものがたり

2013年08月27日 16:56 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

<アルテミス、通称「ギャビーのディアナ」> 100年頃

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術、古代エジプト美術、古代オリエント美術、イスラム美術、絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画の8部門を有し、近年、とりわけ「東西の対話」に力を入れるルーヴル美術館が企画した今展。全8美術部門から横断的に選ばれた貴重な文化財を通じて、西洋と東洋の出会いの地「地中海」の魅力を紹介する。

 

 

エジプト文明やエーゲ文明が花開き、後に西欧の古典の礎となるギリシア・ローマ文明が誕生した地中海は、多様な民族間の交易や争いの舞台となると同時に、西洋と東洋の文化や宗教がダイナミックに交差する場でもあった。この地で誕生した作品群は、多彩かつ個性的であると同時に、地中海を舞台に生み出された諸文化の影響関係を生き生きと伝える魅力あふれるものばかり。なかでも今展の目玉となるのは、清楚な容貌とたたずまいが美しい古代彫刻の傑作〈アルテミス、通称「ギャビーノディアナ」〉。紀元前の名高い彫刻家・プラクシテレスの様式を汲む作品の、ローマ時代の貴重な模刻とされており、1808年にルーヴルに収蔵されて以来、初の館外展示となる。その他、ロココ美術の華麗な作品やフランスの画家シャセリオーによるオリエンタリズムあふれる絵画など、総計273点もの多様な文化財が特別出品される。

 

 

はるか古代より、数多くの文明を生み、育て、伝えてきた「地中海」。今展は、その歴史的、空間的広がりを伝えてくれる、人類にとってかけがえのない「美の遺産」を間近にできるとともに、ルーヴル美術館所蔵の美術品の数々を体系的に味わえるまたとない好機会。これを見逃す手はないだろう。

 

 

<モザイク:イルカと戯れるアモル> 250年頃

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<二重式懐中時計、通称「デイ・ダルジェ」> 1815~1816年頃

【会期】 2013年7月20日(土)~9月23日(月・祝)

【会場】 東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)  アクセス
☎03-5777-8600

【休室】 月曜・9月17日(火)、ただし9月16日(月)・23日(月・祝)は開室

【開館時間】 9:30~17:30(入室は17:00まで)

※金曜日は9:30~21:00(入室は20:30まで)

【料金】 一般1500円 学生1300円 高校生600円 65歳以上800円 中学生以下無料

【関連リンク】 東京都美術館

 

※図版全て

© RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Daniel Arnaudet / distributed by AMF

 

 

【関連番組】

「北川景子×地中海 女神たちを探して」 (NHK BSプレミアム)

8月31日(土) 21:00~22:00 / 9月7日(土) 21:00~22:00

 

昨年、パリのルーブル美術館を訪れ、彫刻「ミロのビーナス」に強く引きつけられた女優・北川景子が、その不思議な魅力の謎を追って、「ミロのヴィーナス」が発掘されたミロス島、アフロディテ生誕の地といわれるキプロス島など地中海の島々を訪問。地中海を横断する壮大な旅の中で出会う、地中海の風土の美しさ・そこに住む人々の優しさ・たくましさに女神たちの真実を見る。

 

NHKオンライン 番組ホームページ

 

「新美術新聞」2013年8月21日号(第1320号)4面より

 


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