日本画

     
   

山径を散策中、ふと気配を感じて振り向くとタヌキがこちらを窺っていた。成長半ばぐらいであろうか。一瞬驚いたものの、忘れ難い光景となって心に刻まれている。<br />
陽に照らされた木の葉が眩しい早朝の出来事であった。


春になると、山も街も至るところが桜色に染まる。<br />
都会では優しく吹く春風が桜花を美しく散らす頃、山に入ると小振りの花輪で可憐に咲く山桜に出会った。<br />
一本の桜木から洩れる柔らかな陽射しが、光とともに春の香を運ぶ様は、まさに春を象徴しているように思えた。

   

 
 

山﨑隆夫

YAMAZAKI TAKAO

日本藝術院会員、日展常務理事、日春展委員、京都市立芸術大学名誉教授
 
1940年
1972年
1991年
1992年
2005年
2008年
2011年
2012年
新潟県生まれ
日展特選(同73年)
京都市立芸術大学美術学部日本画専攻教授となる
日展会員賞受賞
京都市立芸術大学退任記念・山﨑隆夫展を同大学芸術資料館で開催
日展内閣総理大臣賞受賞
日本藝術院賞恩賜賞受賞
日本藝術院会員となる

 
     

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