書

     
   

書の美は、作者の心の動きによって生まれ、書の格は、作者の生存に左右される。即ち、一瞬の場に燃えたぎることではなかろうか。<br />
書の美は、見る程に見え、<br />
書は、見られる程に変わる<br />
書をつくる者にとって大事なことは、下手でもよい、綺麗でなくてもよい、姿をなさなくとも心の中の総てをそそぐことが大切である。


書人にとって、書作上の責任は<br />
1.生きた作品をつくること<br />
2.高い美を持つ書を生み出すこと<br />
3.作品にふれる対象者に美を贈り出すこと<br />
の3点であろう。<br />
書には基準はあって限界がない。また、基準を知っても作品はつくれない。<br />
書美をつくる目標は、動くこと、変えること、更に重ねると共に直視することにある。<br />
「書は時と場と共に変わり、心と共に動き、瞬時に変貌し続ける」<br />
これは、書の生存を保証し、生を確認できることでもある。

   

 
 

丹治思郷

TANJI SHIKYO

 
 

1923年福島県生まれ。
金田心象に師事。元日展会友、入選12回。元毎日書道展会員、毎日賞受賞。個展24回、パリ展。元千紫会顧問、福島県外在住功労者知事表彰。

 
     

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