洋画

     
   

いつしか都会の雑踏の中に漬かっている自分に気がつく。そこには育んできた栄養分が充満していたのだ。人は環境によって育てられ、大きく成長する。<br />
名取堯先生、佐藤亘宏先生、多くの先輩諸氏によって育ったのだ。それが内面空間に凝縮される。それは心の風景である。<br />
奥深い己のみの風は永遠そのもののように、きっといつか確固とした風景になると信じたい。己の美の訴えであるから…。<br />
立ち止まることなく、追求そして亦…。


土の匂いのある風景、みどり一色の草木、自然の充ち溢れる四季折々の花々。<br />
雪の日は暗く寒かった日、翌日の日がまぶしかった。<br />
正月の一日、高く大きく聳え立つけやき、その枝から雪が舞い降りてくる。<br />
しかし、そんな風景は今はない。大型トラックが行き交う夜まで明るく照らされ、空気までもが息をつまらせる。広かった麦畑、清水の流れに虫達の声を幻のように聞く。深く確かな真実を求めて描き続けている。<br />
都市空間と名付けられて久しい。その空間こそが私、己なのです。

   

 
 

原 弘

HARA HIROSHI

新耀展代表、東京展美術協会参与、日本美術家連盟会員
 
1936年
1956年
1957年
 
1958年
1960年
1971年
2001年
2002年
2003年
2004年
2013年
2014年

東京都生まれ
現代美術家協会展初出品
武蔵野美術大学卒業
読売アンデパンダン展出品
現代美術家協会会員となる 
現代美術家協会展現展賞受賞(同66・71)
現展運営委員となる
現代美術家協会退会
新耀展結成・代表となる
美術の祭典・東京展優秀賞受賞(以後連続出品)
同展運営委員となる
同展功労賞・東京展賞受賞
同展参与となる
 
個展32回、回顧展1回、グループ展・企画展多数。

 
     

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