彫刻

     
   

欅材で断面が二等辺三角形の長材を使い、二本の「そりのあるかたち」を削り出し、一点で交互に重ね接ぎした単純な構成で、緊張した木の美しさを表現したかった。<br />
台座は、松の角材を壺状に削り込んだ形に仕上げ、上部の細身の「そりのあるかたち」の力を受けさせている。

「そりのあるかたち」は平櫛田中賞を受賞した頃より本格的に作品タイトルとし始めた。木、石、ステンレスなどを素材に制作を続け、今回は50年ほどアトリエに寝かせていた樟を使った。刀でいう刃と背の部分の峰、鎬(しのぎ)を含む6面で構成し、切込みを入れアクセントとした。木は削って初めて表情が現れる楽しさがある。本作はその表情と「そりのあるかたち」が一体となるよう祈った。

   

 
 

澄川喜一

SUMIKAWA KIICHI

文化功労者、日本藝術院会員、新制作協会会員、東京藝術大学名誉教授・顧問
 
1931年
1958年
1963年
1979年
1980年
1988年
1995年
2001年
2003年
2004年
2008年
2012年
島根県生まれ
東京藝術大学彫刻専攻科修了
新制作協会会員となる
第8回平櫛田中賞受賞
第11回中原悌二郎優秀賞受賞
第13回吉田五十八賞受賞
東京藝術大学学長(~2001年)
第10回本郷新賞受賞
日本藝術院賞・恩賜賞受賞
日本藝術院会員となる
文化功労者となる
デザイン監修を務めた東京スカイツリーが5月22日開業
 
HP:Sculpture Works SUMIKAWA Kiichi 0fficial Website

 
     

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