日本画

     
   

念願の群馬県水墨画協会公募展を立ち上げ、第一回展を迎えることが出来た。多くの人たちに支えられ、感謝の念を禁じ得ない。この絵のような晴れやかな気持ちである。


昨年、東日本大震災、福島第一原発事故という未曾有の災害が起きました。家と家族を失うという苦しみと悲しみ、不安、原発という目に見えない恐怖。常ならざる破壊の恐ろしさに身を震わせて伝えられた内容は、筆舌に尽くせないものであった。希望に満ちた未来を生き抜くことができなかった若者達の無念さはいかばかりか……。心が締めつけられる思いです。この記憶を止めておきたくて急ぎ帰宅して筆を執りました。この悲しみの中からやがて頭を上げて、光に向かって歩みはじめてほしいとの願いを込めて母と子の姿を描きました。

   

 
 

千野曜生

CHINO YOSHO

ル・サロン会員、日本水墨画振興会会長、日本中国水墨交流協会常務理事、曜生水墨画会主宰
 
山梨県出身。雅号(洋画)は順子。
65年日本大学芸術学部を卒業、71年渡仏、パリ国立美術学校でセザール教授らに師事、サロン・ドートンヌ、ル・サロン等に入選・受賞を重ねパリ個展を開催する。91年帰国、水墨画振興展や国際美術展などで受賞を重ね、個展を多数開催する。

 
     

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