パリの歴史を積層する重厚なマチエール―成澤隆吉の個展が横浜で開催

2018年09月04日 15:12 カテゴリ:最新のニュース

 

《ムーランルージュ》

《ムーランルージュ》

 

カフェのギャルソン、ポスターの前に佇む女性、逆光を浴びる馬止めやセーヌの流れ……。旅で出会った人々や光景を描き留めてきた洋画家・成澤隆吉(1940年東京生まれ、現展会員)が、パリでの旅を振り返る個展を開催する。

 

その作品の大きな魅力は、重厚な中に品格漂うマチエール。「歴史あるパリの街は〝積み重ね〟が無いと描けない」と語り、堅守にして豊かな表情を持つ絵肌を求めて何度も層を重ねている。今展に際して過去作に改めて向き合い、幾つかの作品は新たな画材・オイルバーを用いて加筆修正。キャンバスの中に、成澤自身の長い年月も積層された。

 

会場では10年前の作品から新作の半具象・抽象作品まで、40~0号の約40点を展示。素描も見どころの一つとなる。美術評論家のワシオ・トシヒコ氏は成澤作品について「パリはパリでも、おしゃれなパリに留まらない。異邦人が盛んに行き交う自由なフランスらしく、汗くさいブルースやジャズふうでもある」と評した。そのダイナミックな色彩と造形は、観る者にパリの息遣いを感じさせるだろう。

 

《セーヌ河風景》

《セーヌ河風景》

 

《garson》

《garson》

 

【展覧会】成澤隆吉個展―パリーへの旅―

【会期】2018年9月15日(土)~22日(土)

【会場】ギャルリー・パリ(横浜市中区日本大通14 旧三井物産ビル1階)

【TEL】045-664-3917

【休館】日曜

【開館】12:00~19:00(最終日は17:00まで)

【料金】無料

 

【関連リンク】ギャルリー・パリ

 


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