99歳の彫刻家・関頑亭の生き方そのものに迫る個展 東京・国立のたましん歴史・美術館で開催

2018年04月06日 15:12 カテゴリ:最新のニュース

 

 

大正8年(1919)東京・北多摩郡谷保村に生まれた関頑亭(本名:保壽)は、17歳で彫刻家・澤田政廣(1894~1988)に弟子入りし、21歳で応召。満州での普蔭法師との出会いを得て、密教の世界を求め、除隊後の26歳に全国各地を巡った。やがて宝仙寺(東京都中野区)の富田老師から口伝による密教の教えを受けるようになり、さらにその世界を深めながら、同寺の本尊不動明王の光背や三重小塔などを制作。また、7世紀後半に中国から伝わった古典技法「脱活乾漆」の研究に30年以上を費やし、同寺の弘法大師丈六坐像を4年がかりで制作し、さらに20年にわたって制作を続けた不動明王坐像を昨年9月に完成させた。

 

一方で、「風景は心をうつすもの」という絵画や、良寛を敬愛するなかでかく書などは瑞々しくいきいきとした独自の芸術観を表し、山口瞳『なんじゃもんじゃ』の挿画などを手掛けた。郷土・国立のまちづくりにも勤しみ、「頑亭先生」「ガンテーさん」と親しまれ、多彩な人々と交流を続けている。

 

今展では、木彫、脱活乾漆を含む彫刻作品をはじめ、最初期のパステル画、50・60代で描いた仏画、近年の旅先でのスケッチ作品、近作の書の作品など、関連資料も含めたおよそ70点を展示し、全8章の構成で「未完成だし成長中だから、柔らかく生きている」と語る関頑亭の生き方そのものに迫る。

 

 

 

「99歳の彫刻家・関頑亭」展 会場風景

 

「99歳の彫刻家・関頑亭」展 会場風景

 

【展覧会】99歳の彫刻家・関頑亭―声字実相義 耳で見つめ、目で聴く―

【会期】2018年3月27日(火)~7月1日(日)

【会場】たましん歴史・美術館(東京都国立市中 1-9-52 多摩信用金庫国立支店6F)

【TEL】042-574-1360

【休館】月曜 ※GW期間中は開館(4月29日~5月5日)

【開館】10:00~18:00(入館は17:30まで)

【料金】300円 中学生以下無料

 

主な関連イベント
■担当学芸員によるギャラリートーク
【日時】4月13日(金)、5月18日(金)、6月8日(金) 14:00~
【参加費】無料(要入館料)

 

■子ども向けギャラリートーク(小学3年生以上対象)
【日時】4月21日(土)、6月2日(土) 14:00~
【参加費】無料(要入館料)

 

【関連リンク】公益財団法人 たましん地域文化財団

 


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