2018年は10名の巨匠に注目! 期待の展覧会をピックアップ

2017年12月27日 18:22 カテゴリ:最新のニュース

 

2018年も全国で注目の美術展が多数。そこで「10名の巨匠の回顧展」を中心に、「コレクション展」「日本美術」「建築・デザイン」の大きく4つの分野から編集部のピックアップを紹介する。ぜひ18年の美術館巡りの参考にしてみてほしい。

 

1. 「フェルメール展」東京・上野の森美術館(10月5日~19年2月3日)

代表作《牛乳を注ぐ女》をはじめ日本初公開を含む8点を展示する、過去最大のフェルメール展。大型展としては珍しく「日時指定入場制」を導入することも話題に。19年2月16日~5月12日には大阪市立美術館に巡回。

 

 

2. 「ムンク展」東京都美術館(10月27日~19年1月20日)

《叫び》で知られる西洋近代絵画の巨匠、エドヴァルド・ムンクの大回顧展。ノルウェー・オスロ市立ムンク美術館が誇る世界最大のコレクションを中心に、油彩画・版画など約100点により構成される。複数描かれた《叫び》のうち、同館が所蔵する油彩・テンペラ画の《叫び》は今回が初来日となる。

 

調印式に出席したアーリン・リーメスタ駐日ノルウェー王国大使(左)とムンク美術館のスタイン・オラブ・ヘンリクセン館長(右) 写真提供:朝日新聞社

調印式に出席したアーリン・リーメスタ駐日ノルウェー王国大使(左)とムンク美術館のスタイン・オラブ・ヘンリクセン館長(右) 写真提供:朝日新聞社

 

3. 「没後50年 藤田嗣治展」東京都美術館(7月31日~10月8日)

エコール・ド・パリを代表する画家・藤田嗣治の没後50年を記念した大回顧展。「風景画」「肖像画」「裸婦」「宗教画」などのテーマを設け、新たな視点も加えながら藤田芸術をとらえようとする試みで、質としても量としても史上最大級。東京の後、京都国立近代美術館に巡回予定。

 

 

4. 「草間彌生展」長野・松本市美術館(3月3日~7月22日)

17年は国立新美術館の大回顧展で約52万人を動員し、大きな話題を呼んだ草間彌生。故郷・松本を舞台とした今展は、松本市美術館での単独開催となる。初期作から最新シリーズ「わが永遠の魂」までを紹介。

 

 

5. 「モネ それからの100年」名古屋市美術館(4月25日~7月1日)/横浜美術館(7月14日~9月24日)

印象派を代表するクロード・モネの新たな魅力に迫る展覧会。《睡蓮》をはじめとするモネの絵画はもちろん、マーク・ロスコ、アンディ・ウォーホルら後世代の約30作家による現代アートが並ぶことも大きなポイントとなる。

 

 

6. 「ミラクル エッシャー展」東京・上野の森美術館(6月6日~7月29日)

「視覚の魔術師」と称される奇想の版画家・エッシャーの、東京では約12年ぶりの大規模個展。作品はすべて日本初公開。代表的なだまし絵や初期作など約150点で構成される。

 

7. 「ルーベンス展—バロックの誕生」国立西洋美術館(10月16日〜19年1月20日)

17世紀のバロック期を代表するルーベンス。今展ではその作品を中心に、彼が影響を受けた古代美術やルネサンスの作品、そしてルーベンスから刺激を受けたイタリア人画家の作品を一堂に展示。近年では最大規模のルーベンス展となる。

 

8. 「太陽の塔展」大阪・あべのハルカス美術館(9月15日~11月4日)

1970年の大阪万博のために岡本太郎が作り上げ、18年3月には塔内部が再公開されることも話題の「太陽の塔」。今展では失われた展示空間を初めて3次元で再現。地下展示を追体験できる展覧会となる。

 

9. 「生誕150年 横山大観展」東京国立近代美術館(4月13日~5月27日)

岡倉天心とともに新たな時代における日本画を探求した横山大観の、生誕150年・没後60年を記念する回顧展。40メートル超で日本一長い画巻《生々流転》(重要文化財)のほか、数々の新出作品や習作などあわせて約100点を紹介。

 

10. 「ルドンー秘密の花園」東京・三菱一号館美術館(2月8日〜5月20日)

印象派の画家たちと同世代でありながら、幻想的な内面世界に目を向け特異な絵画を生み出したオディロン・ルドン。今展は植物に焦点をあてた、前例のない展覧会となる。

 

 

横浜美術館「ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより」出品作

横浜美術館「ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより」出品作

■コレクション展

・「ルーヴル美術館展 肖像芸術 ―人は人をどう表現してきたか」国立新美術館(5月30日~9月3日)
・「ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより」横浜美術館(3月24日~6月24日)
・「プーシキン美術館展──旅するフランス風景画」東京都美術館(4月14日~7月8日)
・「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」国立新美術館(2月14日~5月7日)
・「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」Bunkamura ザ・ミュージアム(1月6日~3月11日)

 

■日本美術

・「名作誕生-つながる日本美術」東京国立博物館(4月13日~5月27日)
・「縄文―1万年の美の鼓動」東京国立博物館(7月3日~9月2日)
・「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」京都国立博物館(9月29日~11月25日)
・「創建1250年記念特別展 国宝 春日大社のすべて」奈良国立博物館(4月14日~6月10日)
・「光琳と乾山 ―芸術家兄弟・響き合う美意識―」根津美術館(4月14日~5月13日)
・「江戸の女装と男装」太田記念美術館(3月2日~3月25日)

 

■建築・デザイン

・「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」森美術館(4月25日~9月17日)
・「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」東京ステーションギャラリー(3月3日~5月6日)
・「田根 剛 Archaeology of the Future」東京オペラシティ アートギャラリー(10月19日~12月24日)
・「デザインあ展 in TOYAMA」富山県美術館(3月21日~5月20日)

 

そのほか美術館以外の会場で開かれる展覧会としては、大林財団の新たな助成プログラムによる会田誠「GROUND NO PLAN」展(青山クリスタルビルB1F・B2F/2月10日~2月24日)や、3年に一度の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018」(越後妻有地域/7月29日~9月17日)を挙げたい。

 


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