洲之内徹 没後30年に、現代画廊の作家が集う―「どんなご縁で、気まぐれ美術館」

2017年09月07日 18:48 カテゴリ:最新のニュース

 

「『この絵は欲しいなあ』と思った、それだけである。(中略)一枚の絵を心から欲しいと思う以上に、その絵についての完全な批評はあるだろうか。」――洲之内徹『絵のなかの散歩』靉光「鳥」の一節(新潮社、1973年)

 

 

1960年代末より銀座の「現代画廊」で数多くの個性あふれる作家を紹介し続け、『気まぐれ美術館』などの美術エッセイでも知られる洲之内徹(1913-1987)。没後30年にあたる今年、不思議な縁の導きで「現代画廊」の作家たちが集まった。

 

出品作家は喜多村知(きたむら・さとる 1907-1997)、木下晋(きのした・すすむ 1947-)、鞍掛徳磨(くらかけ・とくま 1930-)、河野扶(かわの・たすく 1913-2002)、佐藤哲三(さとう・てつぞう 1910-1954)、島村洋二郎(しまむら・ようじろう 1916-1953)、直野進(なおの・すすむ 1925-2016)、成川雄一(なりかわ・ゆういち 1937-)、松田正平(まつだ・しょうへい 1913-2004)、緑川俊一(みどりかわ・しゅんいち 1947-)、峰村リツ子(みねむら・りつこ 1907-1995)、ミリヤーナ・マオドゥシュ(1942-)、吉岡憲(よしおか・けん 1915-1956)。

 

アートギャラリー884が開廊2周年を記念して企画した本展。2年前、画廊主の佐野加代子はもともと異なる業界から美術業界へ。手探りで画廊を運営していくなかで、いつの間にか「現代画廊」の作家たち、あるいは関係者たちが集まっていた。「一昨年に島村洋二郎展を開催した際、洲之内氏とご縁の深い後藤洋明さんとお知り合いになりました。その後も、洲之内コレクションの作家・ミリヤーナ・マオドゥシュ氏の良人である中里良二さんともご縁をいただきました。後藤さんも中里さんも洲之内氏を語る際には欠かすことのできない人物で、このお二方の応援がなければ今回の企画は難しかったかもしれません。」

 

アートギャラリー884を磁場として集まり出した「現代画廊」の作家たち。上述の洲之内の言葉に深く共鳴する佐野を中心とした「円」であり「縁」でもある本企画。これを機にあらためて「絵のなか」を「散歩」してみたらどうだろうか。

 

喜多村知《銚子》

喜多村知《銚子》

 

左:ミリヤーナ《キリル文字》アクリル画  右:吉岡憲《婦人像》

左:ミリヤーナ《キリル文字》アクリル画  右:吉岡憲《婦人像》

 

左:松田正平《洲之内徹像》鉛筆  右:成川雄一《圭子像》

左:松田正平《洲之内徹像》鉛筆  右:成川雄一《圭子像》

 

 

【展覧会】アートギャラリー884開廊2周年記念展 洲之内徹没後30年「どんなご縁で、気まぐれ美術館」

【会期】2017年9月10日(日)~9月24日(日)

【会場】アートギャラリー884(文京区本郷3-4-3 ヒルズ884 お茶の水ビル1F)

【TEL】03-5615-8843

【休廊】月曜

【開廊】11:00~18:30(最終日は16:00まで)

【料金】無料

 

■関連イベント
【開廊2周年パーティ】9月10日(日) 17:00~19:00
【ギャラリートーク】
後藤洋明「どんなご縁で、洲之内徹とアートギャラリー884」 9月10日(日) 16:00~
中里良二「シテ・ファルギエールのアトリエ」 9月24日(日) 15:00~

 

【関連リンク】アートギャラリー884

 

 


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