アラーキーに谷川俊太郎!東京オペラシティ、2017年度は4つの企画展を開催

2017年02月09日 12:01 カテゴリ:最新のニュース

 

荒木経惟《遊園の女》 2017

荒木経惟《遊園の女》 2017

 

東京オペラシティ アートギャラリーの、2017年度の企画展スケジュールが発表された。写真家・荒木経惟の個展をはじめ、インテリアデザイナーの片山正通によるコレクション展や、韓国の抽象絵画展、そして詩人・谷川俊太郎の個展の4つが開催される。

 

4月8日から6月25日に開催されるのは「片山正通的百科全書 Life is hard… Let’s go shopping.」。インテリアデザインに留まらず、クリエイティヴディレクションや建築デザインディレクションなど多様な活動で知られる片山正通(まさみち)。ユニクロのグローバル旗艦店(2006~)やナイキ東京本店(2009)をはじめとする巧みなディスプレイでも、国際的に注目を集めている。コレクターとしても知られ、代表を務めるワンダーウォールのオフィスには、買い集めたCDや書籍のほか、旅先で手に入れた骨董、ジャン・プルーヴェやシャルロット・ぺリアンらの家具、さらにはライアン・ガンダー、サイモン・フジワラ、村上隆などの国内外の現代美術作品が所狭しと展示されている。同展では片山のデザイナー歴25年の節目に、自身のコレクションを「美術館」という場にいかにディスプレイするかを通して、その関心の所在やクリエイションの本質を探る。

 

片山正通 photo:筒井義昭

 

7月8日から9月3日までは「荒木経惟 写狂老人A」を開催。70歳を越えてさらに活発な制作を繰り広げる荒木の近作、最新作を壮大なスケールで紹介する。荒木にとって写真とは自らの生の記録であり、死と対峙するような体験を経て、近年の作品には長年の重要なテーマである「生と死」がより鮮明に表現されている。同展ではその「現在」をヴィヴィッドに伝え、膨大かつ多様な活動の核心に迫る。

 

10月14日から12月24日に開かれるのは「韓国の抽象(仮題)」。韓国の抽象画は、1950年代に欧米で起こった新しい抽象絵画を受容するなかで東洋的な精神性を加えた固有のジャンルとして確立し、ことに1970年代に生まれた単色画は同時代の日本の美術動向「もの派」や「具体」と並んで豊かな発展をみせてきた。近年では2014年にヴェネチアで韓国単色画の大規模な展覧会が開催され、海外のオークションで落札価格を大幅に更新するなど、国際的な評価が急速に高まっている。開館以来コレクションの中核として韓国の抽象画を収蔵している同館で、収蔵品を中心に外部からの借用を加えて総合的に展観することができる。

 

李禹煥《線より》 1976 photo: 斉藤新

 

2018年1月13日から3月25日にかけては「谷川俊太郎展(仮題)」を開催。1952年に詩集『二十億光年の孤独』で鮮烈なデビューを果たし、その明るく軽やかな作風で、新たな生き方を模索する戦後の人々の心を捉えてきた。『鉄腕アトム』の主題歌や絵本『マザーグースのうた』などでも知られ、一人の生活者として日常から紡ぎ出されるみずみずしい言葉は、85歳を迎えた現在も私たちの感性と共鳴し続けている。同展では谷川の幅広い創作活動のほか、少年時代にまつわる資料や交友関係、親しんできた音楽、コレクション等を紹介することで詩人の原点を探る。書き下ろしの詩や、音楽家・小山田圭吾(Cornelius)とインターフェイスデザイナー・中村勇吾とのコラボレーションを通じて、現在進行形の谷川の活動も楽しめる。

 

谷川俊太郎 photo: 深堀瑞穂

 

■片山正通的百科全書 Life is hard… Let’s go shopping.

【会期】2017年4月8日(土)~6月25日(日)

 

■荒木経惟 写狂老人A

【会期】2017年7月8日(土)~9月3日(日)

 

■韓国の抽象(仮題)

【会期】2017年10月14日(土)~12月24日(日)

 

■谷川俊太郎展(仮題)

【会期】2018年1月13日(土)~3月25日(日)

 

【関連リンク】東京オペラシティ アートギャラリー 2017年度展覧会ラインナップ

 


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