土方巽と細江英公の伝説的写真集にちなんだ「鎌鼬美術館」が開館

2016年10月22日 17:33 カテゴリ:最新のニュース

《子供たち》 土方巽  撮影:細江英公 写真提供:NPO法人鎌鼬の会

 

10月22日、秋田県羽後町田代地区に、土方巽(1928~86)と細江英公(1933年生まれ)による伝説的写真集『鎌鼬(かまいたち)』にちなんだ「鎌鼬美術館」が開館した。

 

『鎌鼬』が撮影されたのは、今から51年前の1965年9月。暗黒舞踏の創始者として知られる同県出身の舞踏家・土方は、田代地区を突然訪れ、農民や子供たちを巻き込み、伝説的存在である「鎌鼬」を彷彿とさせる不可思議なパフォーマンスを繰り広げた。その様子を写真家・細江英公が捉えた同写真集は、69年に刊行されたのち世界的にヒットし、芸術選奨文部大臣賞を受賞。それから半世紀経過した今も、この撮影舞台を見に毎年人が訪れる。

 

旧長谷山邸

旧長谷山邸

 

今回の開館は、地域の有志らが「NPO法人鎌鼬の会」を立ち上げたことにより実現。「土方、細江を惹きつけた田代の里の風景を残し、そこで暮らす人々がずっと住み続けられるように」との思いで、撮影場所にもなった旧長谷山邸を改修し、美術館を整備した。館内では細江が提供した『鎌鼬』の写真を展示。細江は同館の名誉館長に就任している。

 

町からの補助金は議会で認められなかったが、自己資金や寄付金により改修費をまかない、クラウド・ファンディングでは目標額の200万円を越す金額が集まった。今後も広く寄付を呼びかけ、展示内容や設備の充実を図るという。

 

11月27日まで開館記念展を開催中。館内では、11月に刊行される写真集『鎌鼬―田代の土方巽』の先行販売も行っている。

 

《赤子》 土方巽  撮影:細江英公 写真提供:NPO法人鎌鼬の会

 

《道化》 土方巽  撮影:細江英公 写真提供:NPO法人鎌鼬の会

 

《馬鹿王》 土方巽  撮影:細江英公 写真提供:NPO法人鎌鼬の会

 

《稲架》 土方巽  撮影:細江英公 写真提供:NPO法人鎌鼬の会

《稲架》 土方巽  撮影:細江英公 写真提供:NPO法人鎌鼬の会

開館記念展
【会期】2016年10月22日(土)~11月27日(日)
【会場】鎌鼬美術館(秋田県雄勝郡羽後町田代字梺67-3)
【休館】月曜
【開館】10:00~16:30
【料金】一般200円 中学生以下無料

 

【関連リンク】
鎌鼬美術館建設プロジェクト
鎌鼬美術館Facebook

 


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