現代陶芸の最先端を走り続ける秋山陽の仕事を追う―「秋山 陽 アルケーの海へ」菊池寛実記念 智美術館で開催

2016年04月08日 18:54 カテゴリ:最新のニュース

 

 

1980年代から現代陶芸の最先端を走り続けている陶芸家・秋山 陽(1953年山口県生まれ)の制作の軌跡を俯瞰する展覧会が、東京・赤坂の菊池寛実記念 智美術館で開催されている。

 

1953年山口県下関市に生まれた秋山は、78年に京都市立芸術大学陶磁器専攻科修了。80年代より作陶活動を本格化させ、30年以上にわたって枠にとらわれない陶表現を展開してきた。現在は母校の教授として後進の指導にもあたる。

 

黒褐色をした彫刻的な造形のその作品は、黒陶、もしくは本焼き焼成後に鉄粉をほどこす手法でつくられており、それらは作風ごとにシリーズ化されている。作家活動を始めた80年代から90年代にかけて発表した作品は「準平原」「Oscillation」「ZONE」「地質時代」など、大地をイメージさせる名称。これに2000年代の「Metavoid」「Heterophony」が加わる。

 

いずれのシリーズにも一貫しているのは、質感や量感の表現に土の物質性を感じさせることと、壮大なスケール感である。小さな作品でもおよそ50センチ四方ほどあり、大型の作品ともなれば長径数メートルにわたる。土に潜む破壊と生成の力を体感させる造形は、アメリカやベルギーで個展が開催されるなど、国の内外を問わず高い評価を受けている。

 

本展では、新作、近作を中心に、80年代、90年代の代表作を加えたおよそ40点の作品により作家の造形世界を紹介する。展覧会名の「アルケー」は、ギリシア語で原初、根源を意味する。「原初的なるものへの憧憬や希求」を発想の根底に制作を続ける秋山の姿は、さながら根源や原理を探究する哲学者のようであり、また、その作品は、折々の思考のかたちであるとも言えるだろう。

 

 

 

 

【会期】2016年4月2日(土)~7月24日(日)

【会場】菊池寛実記念 智美術館(東京都港区虎ノ門4-1-35西久保ビル)

【TEL】03-5733-5131

【休館】月曜、祝日のとき翌日

【開館】11:00~18:00(入館は17:30まで)

【料金】一般1,000円 大学生800円 小・中・高生500円

 

関連イベント

■記念対談「土のエロス」

【日時】5月14日(土)15時~

【登壇者】建畠晢 (多摩美術大学学長、埼玉県立近代美術館館長)
【登壇者】秋山陽 (出品作家、京都市立芸術大学教授)

 

■出品作家によるアーティスト・トーク

【日時】4月16日(土)・7月16日(土) いずれも15時~、予約不要・聴講無料(展示観覧料が必要)

 

■学芸員によるギャラリートーク

【日時】4月9日(土)・5月21日(土)・6月18日(土)・7月2日(土) 

いずれも14時~、予約不要・聴講無料(展示観覧料が必要)

 

■ナイト・ミュージアム①「能管の夜会―無音の音を聴く」

【日時】6月18日(土)18:30~(開場18:15予定)
【演奏】藤田六郎兵衛 (能楽笛方藤田流11世宗家)
【参加費】3,000円(観覧料を含む)※当日観覧券持参者は2,000円
【定員】約50名

 

■ナイト・ミュージアム②軽井沢高原文庫・軽井沢演劇部による朗読劇「古事記物語」

【日時】7月16日(土)18:30~(開場18:20予定)
【出演】軽井沢高原文庫・軽井沢演劇部
【参加費】4,000円(観覧料を含む)※当日観覧券持参者は3,000円
【定員】約60名

 

■Let’s Enjoy BLACK!!
▶「黒、食べちゃう?!甘党の午後」
【日時】5月28日(土)15:00~
【参加費】3,000円(観覧料を含む)
【定員】約15名
▶「黒、飲んじゃう?!辛党のちょっと早い夕べ」※アルコール提供
【日時】6月25日(土)15:00~
【参加費】3,500円(観覧料を含む)
【定員】約15名

 

※有料イベント詳細および申込みは館ウェブサイトまで

 

【関連リンク】菊池寛実記念 智美術館

 


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