震災から5年―椹木野衣トーク&レクチャーシリーズで「震災以後の美術館」考える

2016年02月17日 09:45 カテゴリ:最新のニュース

 

震災から5年 気仙沼 リアス・アーク美術館とDon’t follow the wind から考える未来を担う美術館と展覧会

 

 

青山ブックセンターで昨年春より行われてきた美術評批評家・椹木野衣氏のトークシリーズ「震災以後の世界~ジャンルの破壊と溶解。創造の地平を目指して」の番外編「震災から5年 気仙沼 リアス・アーク美術館とDon’t follow the wind から考える未来を担う美術館と展覧会」が3月1日に開催される。

 

同シリーズは椹木氏が「震災以後の世界」を考えるトークイベントとしてこれまで岩渕貞哉、保坂健二朗、グランギニョル未来(赤城修司、飴屋法水、山川冬樹)などのゲストを迎えてきた。今年は東日本大震災から5年であること、また目黒区美術館で東京ではじめて気仙沼のリアス・アーク美術館の常設展示「東日本大震災の記録と津波の災害史」の紹介がされる展覧会が開催されていることも相まって、番外編としてリアス・アーク美術館学芸係長の山内宏泰氏をゲストに迎え、「震災以後の美術館」について考える。

 

気仙沼湾を見下ろす丘陵地帯にある同館は、地震により大きな損傷を受けた美術館であり、山内氏自身も被災し、自宅を失い、美術館で約1カ月間生活をしていたという。そんな状況の中で、「震災被害を後世に伝え、通じて地域文化の再生に寄与する」という使命のもと、同館学芸員が中心となり、震災直後より被災状況の写真撮影、被災物の収集などを通じ「震災の記録・調査活動」をはじめた。その数は写真約3万点、被災物約250点におよび、2013年春の同館フルオープンの際に、これらの資料の一部、そして過去の津波災害の歴史資料を展示する常設展示室「東日本大震災の記録と津波の災害史」が新設された。

 

今回のトークでは、リアス・アーク美術館の主に震災以後の活動を追うとともに、椹木氏がグランギニョル未来として携わっている見に行くことができない展覧会「Don’t follow the wind」について語ることで、両活動から美術館の役割を改めて考えるとともに、美術館が担う未来への使命を考える。

 

 

 

山内宏泰…1971年宮城県石巻市生まれ。1994年宮城教育大学中学校美術教員養成課程卒業、同大学院入学(リアス・アーク美術館勤務のため9月で中退)。同年10月よりリアス・アーク美術館学芸員(現在同館学芸係長、気仙沼市在住)。専門は美術教育、造形理論、現代美術、地域文化教育、津波文化史研究と普及。東日本大震災大津波で自宅を流失。震災後は各地で「津波の災害史、文化史」等に関する講演多数。館学芸業務としては、展覧会企画・展示・教育普及・展示管理・資料収集等学芸業務全般を担当。リアス・アーク美術館常設展示「東日本大震災の記録と津波の災害史」企画担当。主な受賞に2004年7月平成15年度宮城県芸術選奨新人賞受賞(美術・彫刻)/宮城県、2009年3月「第6回(2008年度)TMOまちづくり大賞」まちづくりデザイン賞受賞/気仙沼商工会議所、2015年1月平成26年度地域創造大賞、総務大臣賞(リアス・アーク美術館が受賞)などがある。

 

【日時】2016年3月1日(火) 19:00〜21:00(開場 18:30) 

【会場】青山ブックセンター本店・大教室  

【料金】1,944円(税込) 

【定員】110名 

【申込】青山ブックセンターウェブサイトまたは電話、店頭、メールにて申し込みのこと。詳細は関連リンク参照。

【関連リンク】青山ブックセンター

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