「メルセデス・ベンツ アート・スコープ 2015-2017」 アーティスト3名が決定

2015年11月25日 13:28 カテゴリ:最新のニュース

 

メンヤ・ステヴェンソン、泉太郎、佐藤時啓

 

 

メルセデス・ベンツ日本株式会社(以下MBJ)は、文化・芸術支援活動として1991年より実施している「アート・スコープ」を、今年より「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」と改称、「メルセデス・ベンツ アート・スコープ2015-2017」のアーティスト3名を発表した。

 

「アート・スコープ」は1991年に始まり、24年間継続しているMBJ及びグループ企業による文化・芸術支援活動で、2003年からは原美術館とのパートナーシップにより実施されている。今プログラムは、現代美術の有望な若手アーティストの育成と、 国際交流を促進することを目的とした滞在プログラム(アーティスト・イン・レジデンス プログラム)。日独間でアーティストを相互に派遣・招聘し、異文化での生活体験、 創作活動を通じて交流を図るもの。今回より名称を「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」と変更し、メルセデス・ベンツ ブランドと より連携した活動を実施。更に過去の受賞アーティストの中から招待出品作家として 各回1名を選出し、展覧会参加等の支援を通し、メセナ活動の先駆者としての役割を 果たすとしている。

 

新プログラムとなって初のアーティストはドイツ人アーティスト:メンヤ・ステヴェンソン(1982年ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州ロットヴァイル生まれ、2015年東京に招聘中)、日本人アーティスト:泉太郎(1976年奈良県生まれ、2016年ドイツ・ベルリンに派遣予定)、招待出品作家: 佐藤時啓(1957年山形県生まれ、1993年フランス・モンフランカンへ派遣)の3名。

 

 

選考はダイムラー社(独)、原美術館、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]の3者が、以下を条件に日独アーティストを候補として挙げ、選考会にて協議の上決定。また、選考会には江頭啓輔(三菱ふそうトラック・バス株式会社 特別顧問)、上野金太郎(メルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長)が、オブザーバーとして出席した。選考条件は1.若手から中堅の、次代の現代美術を担うアーティスト、2.アーティスト・イン・レジデンスという異国での滞在経験を積極的に楽しみ、新たな創作に意欲的である、あるいは能力や資質があること、3.原美術館という空間を生かした実験的な展示が期待できること の3つ。

 

原美術館副館長・学芸統括の安田篤生氏はメンヤ・ステヴェンソン、泉太郎の選考理由にについて「両氏のアイデアやコンセプトは社会的日常の中から見つけ出され、結果として紡ぎ出される違和感・おかしみ・いぶかしさ、現実と虚構の境界が曖昧になるような異化効果が作品の味わいとなっている。そして、社会に沈殿する《記憶》《無意識》《習慣》や、明瞭あるいは暗黙の《ルール》《コード》《システム》が露になり、相対化され、問いとして鑑賞者に返ってくるとも言える」とコメント。また佐藤時啓に関しては「『アート・スコープ』以降アーティストとしての活躍が顕著ということもさることながら、その作風は今回の受賞二氏と(展示の第一印象こそ大きく異なるのだが)相通ずる部分も感じられる」とその理由を寄せている。

 

 

 


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