史上最も善意ある贋作者の話「美術館を手玉にとった男」11月に日本公開決定!

2015年08月19日 18:57 カテゴリ:最新のニュース

 

全米20州、46の美術館を30年間騙し続けた史上最も善意ある贋作者の話

 

 

精巧な贋作を100点以上制作し、それらを無償で寄贈し続けたひとりの贋作者マーク・ランディスを追ったドキュメンタリー映画が11月にユーロスペースほかで全国順次ロードショーされる。

 

同作はMoMAでの勤務経験を持つジェニファー・グラウスマンと画家として活動していたサム・カルマンという美術界にバックグラウンドを持つ2 人のドキュメンタリー作家が監督をつとめ、ナショナル・ボード・オブ・レビューのトップ5 ドキュメンタリーに選出されるなど、全米で大きな話題を呼んだ作品。

 

マーク・ランディスは30 年以上にわたり、15 世紀のイコンから、ピカソ、マグリット、ディズニーまで、幅広いスタイルの絵画を模倣し続けてきた。そして“慈善活動”と称し、神父など様々なキャラクターに扮して、それらの贋作を美術館に寄贈してきた。騙された美術館はなんと全米20州で合計46館。しかし、美術館職員のマシュー・レイニンガーが、それらの作品群が贋作であるということを発見し、ニューヨークタイムズやフィナンシャルタイムズ、そしてテレビなどのメディアが、このセンセーショナルな事件を大きく取り上げ、彼を追いかけることに―。

 

同作では贋作制作に執念を燃やすランディスと、彼を追うことに執念を燃やす人々。そして彼に騙された人々。彼ら自身や社会が持つ歪み、苦悩、そして良心が、ユーモラスかつ鋭く描かれる。

 

監督サム・カルマン、ジェニファー・グラウスマンの言葉(抜粋)

本物と偽物のアイデンティティが交差する場所にはまり込んで、葛藤している人物たちのユニークな物語である。この物語は、一見、ある男が作り上げた風変りな世界への入り口のように見えるが、その意味や目的を探求していくことで、普遍的なものを明らかにする入り口となるはずだ。

 

 

【公開日】2015年11月21日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー

【監督】サム・カルマン、ジェニファー・グラウスマン

【共同監督】マーク・ベッカー

【出演】マーク・ランディス、マシュー・レイニンガー、アーロン・コーワン、ジョン・ギャッパー

【音楽】ステファン・ウルリッヒ

2014 年/アメリカ/英語/カラー/89 分/原題:Art and Craft

【配給】トレノバ

【関連リンク】「美術館を手玉にとった男」公式サイト

 

 

■トークショー

【日時】11月21日(土) 14:30の回上映後 

【ゲスト】斎藤環(批評家・精神科医)、藤原えりみ(美術ジャーナリスト)

 

【日時】11月28日(土) 12:30の回上映後 

【ゲスト】鈴木芳雄(美術ジャーナリスト)、保坂健二朗(東京国立近代美術館 主任研究員)

 

 


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