京都芸術センター2015年レジデンスアーティストの山本浩貴が成果を発表

2015年06月19日 15:20 カテゴリ:最新のニュース

 

『他者の表象 あるいは 表象の他者』

 

「Reproducing Arte Povera in the Third World / 第三世界でアルテ・ポーヴェラを再生産する」 2013

 

京都芸術センターの2015年レジデンスアーティスト・山本浩貴による成果発表展が、6月20日より開催される。

 

山本浩貴は、一橋大学社会学部で宗教社会学を専攻した後、ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アーツで修士課程(MA in Fine Art)を修了。現在はロンドン芸術大学CCW大学院博士課程(PhD)に在籍。また、グローバル化時代の非欧米におけるアートやデザインの研究に特化したロンドン芸術大学付属トランスナショナル・アート研究所(TrAIN)に博士研究員として所属し、美術作家・研究者として活動を行っている。

 

今回の滞在のテーマは「移住」(migration)。グローバル化や多文化主義が急速に進行する現代においては避けることのできない一大現象であり、現代世界を生きる誰もが直面する、全世界的かつ身近な問題である。今展では、移住する人―「移民」と呼ばれる人々―という切り口から、日本、そして京都における「他者」という表象に迫る。

 

様々な社会問題について人々に新たな視点を与え、注意を喚起し、また、行動を起こすきっかけとなる作品を制作してきた山本だが、このような取り組みは、近年socially engaged art(ソーシャリー・エンゲージド・アート)と呼ばれ、国内でも、昨年秋に東京・外神田の3331 Arts Chiyodaでこれを紹介する「リビング・アズ・フォーム(ノマディック・バージョン)」が開催されるなど、新たな潮流として注目を集めている。今展は、リサーチの成果を作品として発表するにとどまらず、最先端のソーシャリー・エンゲージド・アートの様相を紹介する貴重な機会と言えるだろう。

 

「社会」と「アート」の関係について、私たち一人ひとりが深く考える契機になる展覧会である。ぜひ足を運んでほしい。

 

関連イベントとして、6月20日の15:00よりアーティスト・トーク「他者の系譜学―表象に抗する表象」を開催。民族・性あるいは文化的な「他者」はどのように生まれるのか、「他者」を名付け、カテゴリー化し、境界の外に置くような表象の暴力に抵抗するアート・プロジェクトの可能性について、ゲストに山田創平氏を迎えて語られる。

 

プロジェクトの一環として行った「アドバルーン打ち揚げ」

 

山本浩貴

 

【タイトル】山本浩貴『他者の表象 あるいは 表象の他者』

【会期】2015年6月20日(土)~7月5日(日)

【会場】京都芸術センター ギャラリー北・南(京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2)

【TEL】075-213-1000

【休館】会期中無休

【開館】10:00~20:00

【料金】無料

【関連リンク】京都芸術センター

 

■アーティスト・トーク「表象の系譜学―表象に抗する表象」

【日時】6月20日(土)15:00~17:00

【会場】京都芸術センター ミーティングルーム2

【ゲスト】山田創平(京都精華大学 人文学部人文学科長 准教授)

【定員】30名(事前申込不要・先着順)

【料金】無料

 


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